Codexの始め方には「ターミナルの壁」が存在しない
AIエージェントに挑戦した非エンジニアの方の多くがつまずくのは、機能や使い方ではなく、その手前——ターミナルでのセットアップです。黒い画面にコマンドを打ち込むのは、それだけで心理的なハードルであり、エラーがひとつ出た瞬間に心が折れてしまう方も少なくありません。
Codexには、この壁そのものが存在しません。CodexはMacやWindowsの普通のデスクトップアプリです。ZoomやSlackを入れるのと同じ感覚でインストールして、ChatGPTのアカウントでサインインすれば、もう使い始められます。コマンドは1行も打ちません。
新しい契約も不要
すでにChatGPTを使っている方なら、新しいサービスを契約したりアカウントを作ったりする必要は基本的にありません。普段のChatGPTアカウントでサインインすれば、そのまま使い始められます。CodexがChatGPTの延長線上と言われる理由です。Codex自体が初めての方は、先にCodexとは?OpenAIのAIエージェントをわかりやすく解説をご覧ください。
Codexはどこからダウンロードする? 入口は4つ
「Codex ダウンロード」で検索しても、Codex単体のデスクトップアプリは配布されていません。2026年7月9日に、それまで独立していたアプリがChatGPTデスクトップアプリへ統合されたためです。今のCodexは、そのアプリの中にある1つのモードです。
ダウンロード先は使う場所によって4つに分かれます。非エンジニアの方が最初に入れるのは1つ目だけで、残りの3つは「そういう入口もある」と知っておけば十分です。
表は横にスクロールできます →
| 入口 | 入手先 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ChatGPTデスクトップアプリ(Codex) | chatgpt.com/download | まず1台に入れて使い始めたい方 |
| Codex CLI | 公式インストーラをターミナルで1行 | 黒い画面で直接操作したい方 |
| Codex IDE拡張 | VS Code・Cursor・Windsurfの拡張機能 | エディタでコードを書く方 |
| Codex cloud | ブラウザでChatGPTにサインイン | 何も入れずに試したい方 |
OS別のダウンロード条件(Mac / Windows / Linux)
配布ページはchatgpt.com/downloadの1か所で、MacもWindowsも同じページから入手します。公式ヘルプによると、Mac版の条件はmacOS 14以降で、Appleシリコン(M1以降)とIntelのどちらでも動きます。
Linux版はプレビュー提供です。公式ドキュメントが対応先として挙げているのはUbuntu 24.04 / 26.04 LTS・Debian 13・Fedora 43 / 44で、それぞれx64とARM64のパッケージが用意されています。
コマンドで入れる場合(Codex CLI)
英語で検索したときに出てくる codex install は、デスクトップアプリではなくCodex CLIの導入を指します。公式ドキュメントが案内しているインストール方法は次の4通りです。
# macOS / Linux
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh
# Windows(PowerShell)
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://chatgpt.com/codex/install.ps1 | iex"
# npm
npm install -g @openai/codex
# Homebrew
brew install --cask codexどれで入れても中身は同じCodexで、設定も利用枠もデスクトップアプリと共有されます。CLIとアプリの違いと使い分けはCodex CLIとは?デスクトップアプリとの違いで解説しています。
エディタの中で使いたい場合は、VS Code・Cursor・Windsurfに拡張機能 openai.chatgpt を追加します。3つとも同じ拡張で、導入手順はCodexをVS Codeで使うにまとめています。
インストールしたら、Codexはアプリのどこにある?
「Codexアプリ」という独立したアプリは無いので、入れた後に「Codexがどこにあるか分からない」と迷う方が少なくありません。ChatGPTデスクトップアプリの中では、ChatGPTの画面とCodexの画面が分かれています。
切り替えは画面左上のメニューで「ChatGPT」か「Codex」を選ぶだけです。ChatGPTを選んだ側では、画面上部のトグルで「Chat」と「Work」を切り替えます。3つの関係は次のとおりです。
表は横にスクロールできます →
| 画面 | 開き方 | 向いている仕事 |
|---|---|---|
| Chat | 左上で「ChatGPT」→上部のトグルで「Chat」 | 質問・検索・壁打ち |
| Work | 左上で「ChatGPT」→上部のトグルで「Work」 | 調査・分析、資料や表・スライドの作成 |
| Codex | 左上で「Codex」 | 手元のフォルダのファイルを使う仕事・開発 |
注意したいのは履歴です。公式ヘルプによると、Codexのチャット履歴はChatGPT側の履歴とは別に残ります。「さっきの作業が見当たらない」ときは、まず左上でCodexに切り替えてから探してください。
「ChatGPT」と「ChatGPT Classic」が並んでいるとき
以前からChatGPTのデスクトップアプリを使っていた場合、新しいアプリが別に入り、「ChatGPT」と「ChatGPT Classic」の2つが並ぶことがあります。Codexが入っているのは新しい「ChatGPT」の方です。
「ChatGPT Classic」は従来のアプリで、そのまま使い続けられます。ただし新しいエージェント機能は新アプリだけの場合があります。Codexを開けないときは、どちらのアプリを起動しているかを最初に確かめてください。ほかの原因はCodexのエラー対処法にまとめています。
セットアップの全体像 — 5ステップ・所要10分
当社が非エンジニア向けの研修で整理している手順は、次の5ステップです。MacもWindowsも共通で、所要時間は10分もかかりません。
- 1ChatGPTデスクトップアプリをダウンロードしてインストールする
- 2ChatGPTアカウントでサインインする
- 3作業フォルダを作って、プロジェクトとして選択する
- 4承認方法を選ぶ(AIがどこまで自分で進めてよいかを決める)
- 5モデル・推論レベル(速さと深さ)を選ぶ
全部が「クリックして選ぶだけ」です。以下、各ステップを順に見ていきます。
Codexセットアップ手順(Mac/Windows共通)
Step 1. デスクトップアプリをダウンロードしてインストール
OpenAI公式のダウンロードページ(chatgpt.com/download)からChatGPTデスクトップアプリを入手し、インストールします。対応OSはmacOSとWindowsです。
2026年7月9日のアップデートで、それまで独立していたCodexアプリはこのChatGPTデスクトップアプリに統合されました。現在のCodexは同じアプリの中にあるChat・Workと並ぶ1つの体験で、以前のCodexアプリを使っていた方はアップデートするとそのまま新しいアプリになります。
Step 2. ChatGPTアカウントでサインイン
アプリを起動すると、サインイン画面が表示されます。普段ChatGPTで使っているアカウントでサインインするだけで、新規登録は不要です。「新しいツールを契約して、アカウントを作って……」という腰の重さがないのは、始める側にとって大きなポイントです。
Step 3. 作業フォルダを作って、プロジェクトとして選択する
Codexに仕事を任せるための作業フォルダを1つ作り、アプリからプロジェクトとして選択します。最初はデスクトップに半角英数字の名前(例:ai_work)でフォルダを1つ作れば十分です。
作業フォルダは、「Codexに見せてもいい資料の置き場」と考えてください。議事録を任せたいなら録音の文字起こしを、資料作成を任せたいなら元ネタのメモを、ここに入れていきます。Codexはこのフォルダの中で仕事をします。
Step 4. 承認方法を選ぶ
次に、Codexが作業を進めるときにどこまで自分に確認を求めるかを選びます。最初は「都度確認してくれる」設定で始めるのがおすすめです。Codexが「このファイルを作っていいですか?」と聞いてくるので、内容を見ながらOKを出していきます。慣れてきたら、任せる範囲を少しずつ広げていけば十分です。部下に仕事を任せるときと同じで、信頼関係ができるほど確認は減らせます。
Step 5. モデル・推論レベル(速さと深さ)を選ぶ
最後に、使うAIモデルと推論レベル——「どれくらいじっくり考えさせるか」を選びます。迷ったら標準設定のままで問題ありません。使い分けの目安だけ覚えておくと便利です。急ぎの軽い作業は速い設定、資料の構成を練るような重い仕事はじっくり考える設定。人間に頼むときの「ざっくりでいいよ」と「時間かけていいからちゃんと」の使い分けと同じです。
これでセットアップは完了です。あとはチャット欄に日本語で「このフォルダの議事録を整理して」と打てば、Codexが動き始めます。初日はここまでで十分です。まず1つ、小さな仕事を頼んでみてください。「本当に成果物が返ってきた」という体験が、いちばんの学習になります。
始める前に知っておきたい3つのQ&A
Q1. 料金はかかりますか?
Codex自体を別途契約する必要はなく、ChatGPTのプランに含まれています。執筆時点では無料プランでも使い始められますが、使える量はプランごとに大きく異なり、無料枠はお試し程度です。業務でしっかり使うなら実質的にはPlus以上が前提となります。プランごとの利用条件は変わることがあるため、最新情報はOpenAI公式サイトでご確認ください。
Q2. セキュリティ面で、まず設定すべきことは?
まず押さえるべきは2点です。第一に、Codexが見られるのは自分がプロジェクトとして選んだフォルダの中なので、見せる資料は自分でコントロールできます。第二に、ChatGPTの設定にある「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしておくこと。AIを業務利用するときの基本動作です。
会社としてChatGPT Businessを契約している場合は、ワークスペースの会話が既定で学習の対象外になるため、この設定を個人任せにする必要がなくなります。契約直後のワークスペース名・メンバー招待・ロールとシートの決め方はChatGPT Businessの初期設定を実画面で解説にまとめています。
会社のルール確認も忘れずに
学習設定のオフとは別に、会社やお客様の情報をAIで扱ってよいかどうか自体は、お勤め先の規定や取引先との契約によります。業務データを入れる前に、そちらの確認も忘れずに行ってください。組織としてのルール整備は当社のCodex研修・導入支援でも扱っています。
Q3. 何から頼めばいいですか?
最初の1件は、「毎週やっているけれど面倒な定型作業」から選ぶのが鉄則です。議事録の整理、リサーチのまとめ、報告資料のたたき台。「失敗しても困らないけれど、できたら確実に楽になる」仕事から始めてください。いきなり一番重要な業務に手を出すのは、入社初日の新人に基幹業務を任せるようなものです。
セットアップの先へ — 「便利ツール」で終わらせないために
セットアップが終われば、あなたのパソコンには「日本語で頼める仕事の依頼先」が常駐している状態です。ただし、セットアップは入口にすぎません。Codexを「たまに使う便利ツール」で終わらせるか、「業務基盤」に育てるかは、ここから先の使い方で決まります。
次のステップとして、1回の依頼を成功させる頼み方の型と、AGENTS.md・Skills・自動実行といった仕組み化の全体像をCodexの使い方 — 頼み方3つの型と業務基盤にする5つの仕組みにまとめています。あわせてご覧ください。
Codexを組織に定着させたい企業様へ。AI Orchestraの法人研修・導入支援をご覧ください。





