定期実行の3方式 — どこで動かすかで選ぶ

Claude Codeの定期実行には、大きく3つの方式があります(2026年7月時点)。①デスクトップアプリのスケジュールタスク(自分のPCで動く)、②クラウドのルーティン(Anthropicのクラウドで動く)、③ヘッドレスモードclaude -p コマンドをOSのスケジューラーやCIから呼ぶ)です。違いは「どこで動くか」で、それが得意・不得意を決めます。

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①デスクトップ②クラウド③ヘッドレス
実行場所自分のPCAnthropicのクラウドcron・CIを動かす環境
PCの電源アプリ起動中のみ動くPCがオフでも動く実行環境による
手元のファイル直接読み書きできる不可(リポジトリを都度取得)実行環境にあるものだけ
最小間隔1分1時間スケジューラーの設定次第
向いている人まず自動化を試したい人止まってほしくない定常業務既存のCI/CDに組み込むチーム

迷ったら①のデスクトップアプリから始めるのがおすすめです。設定が最も手軽で、手元のファイルをそのまま扱え、動きが目に見えるので調整しやすいためです。

①スケジュールタスク — デスクトップアプリで一番手軽に始める

Claude Codeのデスクトップアプリには、決めた時間に新しいセッションを自動で立ち上げて指示を実行するスケジュールタスク機能があります。作り方は2通りで、サイドバーのRoutines画面から作成する方法と、普段の会話で「毎朝9時に◯◯して」と自然言語で頼む方法があります。後者なら設定画面を触る必要すらありません。

  • スケジュールは「毎時・毎日・平日のみ・毎週」などのプリセットから選択。15分おきや毎月1日など細かい指定も、会話で頼めば設定できる
  • 実行されるとサイドバーに専用セッションが現れ、AIが何をしたかを後から確認・レビューできる
  • PCがスリープしていた場合は、復帰時に直近の未実行分が1回だけ追いつき実行される(何日分も溜まって連続実行されることはない)
  • 権限はタスクごとに設定できる。作成直後に一度手動実行して、出てきた許可を承認しておくと、以後の自動実行が途中で止まらない

当社の実運用例

当社では、オウンドメディアの週次アクセスレビューやコラム記事の定期公開を、このスケジュールタスクで運用しています。毎週決まった時間にAIがデータを集計してレポートを作り、人は結果の確認と判断だけを行う分担です。「人が指示を出す→AIが作業する」から「AIが定期的に動く→人が確認する」への転換が、自動化の本質です。

注意点は、アプリが起動していてPCが起きている間しか動かないことです。決めた時刻に確実に動いてほしい業務は、スリープ設定を見直すか、次のクラウド実行を検討します。

②ルーティン — PCの電源を切っていても動かす

ルーティン(Routines)は、Anthropicが管理するクラウド上でタスクを定期実行する仕組みです。自分のPCの状態に関係なく動くため、「毎朝6時に必ず動いてほしい」「出張中も止まってほしくない」という定常業務に向きます。スケジュール実行のほか、API呼び出しやGitHubのイベントをきっかけに動かすこともできます。

ただしクラウド実行には制約もあります。手元のPCのファイルには直接アクセスできず、Gitリポジトリを都度取得して作業する形になるため、リポジトリ管理されていないローカルの資料に依存する業務には向きません。また実行間隔は最短1時間です(2026年7月時点)。手元ファイル前提の業務はデスクトップ、それ以外の定常業務はクラウド、という住み分けが基本です。

③ヘッドレスモード — cronやCI/CDに組み込む

エンジニアがいるチームなら、Claude Codeを画面なしのコマンドとして呼び出すヘッドレスモードが選べます。claude -p "指示文" の形で実行すると、対話画面を開かずに指示を処理して結果を返すため、OSのcronやGitHub ActionsなどのCI/CDパイプラインに部品として組み込めます。

ヘッドレス実行の例 — テストを実行して結果をJSONで受け取る
claude -p "テストを実行して、失敗があれば原因を要約して" \
  --allowedTools "Bash,Read" \
  --output-format json

--allowedTools で使ってよいツールを事前に許可し(無人実行なので許可の確認に答える人がいないため)、--output-format json を付けると結果を構造化データとして受け取れて後続処理につなげやすくなります。CI用途では、ローカル環境の設定を読み込まずに毎回同じ条件で動く --bare オプションも用意されています。GitHub Actions・GitLab CI/CD向けには公式の組み込み方法がドキュメントで提供されています。

業務に組み込むときの設計のコツ

定期実行は「無人でAIが動く」仕組みなので、人が横で見ている通常の使い方より一段丁寧な設計が必要です。実務では次の4点を押さえておくと安定します。

  1. 1指示文に時間のガードレールを書く。スリープ明けの追いつき実行では、朝9時のタスクが夜に動くことがある。「実行が夕方以降にずれた場合は◯◯だけ行う」のように、遅れた場合の挙動まで指示しておく
  2. 2権限は最小限にする。無人で動くからこそ、削除や外部送信など取り返しのつかない操作は許可せず、人の確認を挟む設計にする。この考え方は権限設定の基本で詳しく扱っている
  3. 3結果を必ず報告させる。「完了したら何をしたかを通知する。失敗したら失敗と理由を報告する」と指示に含める。静かに失敗して数週間気づかない、が無人運用の典型的な事故
  4. 4判断基準はファイルに書いて参照させる。定期実行は毎回新しいセッションで動くため、過去の会話を覚えていない。ルールや手順はCLAUDE.mdなどのファイルに書き、毎回そこを読ませる

この「無人でも安全に動く枠組みづくり」は、Claude Code活用の中級テーマであるハーネス設計そのものです。定期実行を入り口に、権限・ルールファイル・チェックの仕組みを整えていくと、AIに任せられる業務の範囲が段階的に広がります。

非エンジニアの業務でも使えるのか

使えます。デスクトップアプリのスケジュールタスクは会話で頼むだけで作成でき、プログラミングの知識は不要です。実際、定期実行と相性がよいのは、毎朝の業界ニュース収集、週次の売上データ集計、月次レポートのたたき台作成といった繰り返し型の事務業務で、これはエンジニアリングよりむしろバックオフィスや企画職の仕事です。非エンジニアの活用範囲全体は非エンジニアのClaude Code活用で整理しています。

一方で、「どの業務を自動化し、どこに人の確認を挟むか」の設計は、ツールの操作方法より一段上の判断です。当社のClaude Code研修では、自社の業務の棚卸しから自動化の設計・運用ルールづくりまでを、経営者を含めた実務に合わせて組み立てるところを扱っています。

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