前提 — 会話は自動で保存されている

Claude Codeは、やり取りのすべてを作業フォルダごとに自動保存しています。ターミナルを閉じても、PCを再起動しても、会話が消えるわけではありません。「いつでも続きから再開できる」と知っているだけで、長い作業を安心して中断できます。

保存先は自分のPCの ~/.claude/projects/ 配下で、クラウドではなく手元のマシンに残ります。1つの会話(セッション)が1ファイルに対応し、後述のコマンドでいつでも呼び出せます。

保存期間は既定で30日

保存されたセッションは既定で30日たつと自動削除されます(2026年8月時点)。延ばしたい場合は設定ファイル settings.json に cleanupPeriodDays を指定します。ただし長期案件では、会話そのものを残すより「決まったこと」をドキュメントに固定するほうが確実です(記事後半で解説)。

なお、Claude Codeの基本操作そのものは使い方の記事で解説しています。本記事は「中断と再開」の運用に絞って進めます。

前回の続きから再開する — claude --continue

いちばんよく使うのは、直前のセッションをそのまま開き直すケースです。前回作業していたフォルダで、次のコマンドを実行します。

同じフォルダの最新セッションを再開(短縮形は claude -c)
claude --continue

これだけで、直前の会話がどのファイルを読み書きしたかの経緯まで含めて復元され、「さっきの続きをお願い」で作業が再開できます。そのフォルダにセッションが1つもない場合は、その旨が表示されて終了します。

「同じフォルダで実行する」が条件

セッションは作業フォルダ(プロジェクト)ごとに保存されています。別のフォルダで claude --continue を実行しても、目的の会話は出てきません。「再開できない」と感じたら、まずClaude Codeを起動したフォルダが前回と同じかを確認してください。

過去のセッションを探して再開する — claude --resume と /resume

「昨日のあの作業、どのセッションだったか」を探すときは、履歴一覧(セッションピッカー)から選んで再開します。

セッション一覧から選んで再開(短縮形は claude -r)
claude --resume

一覧には各セッションのタイトル・最終作業からの経過時間・gitブランチなどが並びます。矢印キーで選んでEnterを押せば再開。よく使う操作は次のとおりです。

表は横にスクロールできます →

操作動作
文字を入力そのまま検索になり、タイトルで絞り込める
Space中身をプレビューして「この会話だったか」を確認
Ctrl+R選択中のセッションに名前を付ける
Ctrl+AこのPCの全プロジェクトのセッションを表示
Ctrl+B現在のgitブランチのセッションだけに絞り込み

作業の途中で別の会話に切り替えたいときは、セッションの中で /resume を実行しても同じ一覧が開きます。今の会話も保存されたままなので、複数の作業を行き来しても失われません。

セッションに名前を付ける — 探す手間をなくす一番の近道

履歴を探しやすくする最大のコツは、再開しそうなセッションに名前を付けておくことです。一覧で見つけやすくなるだけでなく、名前を指定して一発で再開できるようになります。

名前を付けたセッションは名前で直接再開できる
claude --resume keihi-seisan
  • 開始時に付けるclaude -n keihi-seisan のように起動すると、最初から名前付きで始まる
  • 作業中に付ける — 会話の中で /rename keihi-seisan を実行する
  • 一覧から付ける — セッションピッカーで対象を選んで Ctrl+R を押す

名前を付けていないセッションにも、最初の指示内容からタイトルが自動生成されますが、これは一覧での表示用で、名前指定の再開には使えません(2026年8月時点)。日をまたぐ作業や複数案件の並行では、名前を付ける一手間が確実に効きます。

再開すると何が戻るのか — 実務で気にすべき3点

再開したセッションでは、会話の全履歴が、ファイルの読み書きやコマンド実行の記録まで含めて復元され、使っていたAIモデルも引き継がれます。体感としては「昨日のClaudeがそのまま帰ってくる」に近い状態です。

ただし、すべてが元どおりになるわけではありません。実務で覚えておきたいのは次の3点です。

  • 確認まわりの設定は安全側に戻る — 計画だけを立てるプランモードや、確認を省略する特殊なモードで終えたセッションも、通常の状態で再開されます
  • 裏で動かしていた処理は戻らない — 実行中だったバックグラウンドのコマンドや監視は再開されないので、必要なら改めて指示します
  • 長く放置した大きなセッションは「要約から再開」を選べる — Pro・Maxプランでは、長大化した会話を要約に置き換えてから続ける選択肢が出ます。細部まで正確に引き継ぎたい作業では「そのまま再開」を選びます

中断・引き継ぎの実務 — 誰に引き継ぐかで3つの型に分かれる

セッション再開を業務に落とし込むと、使い方は3つの型に整理できます。「明日の自分」「別案を試す自分」「他人・別環境」のどれに引き継ぐかで、選ぶ手段が変わります。

型1: 明日の自分へ — 名前を付けて中断する

日をまたぐ作業は、中断前に /rename で名前を付け、翌日に名前指定で開きます。さらに、中断前に「ここまでの決定事項と残タスクを箇条書きにして」と頼んでおくと、再開直後にその要約から入れるため、思い出しにかかる時間が大きく減ります。

型2: 別案を試す自分へ — 会話を分岐する

「この方針で進めてきたが、別のやり方も試したい」ときは、会話の中で /branch を実行します。そこまでの会話を丸ごとコピーした分岐セッションが作られ、元の会話は無傷のまま残ります。分岐側が失敗しても、元のセッションに戻ってやり直せます。

同じセッションの二重再開に注意

分岐せずに同じセッションを2つのターミナルで同時に再開すると、両方のやり取りが1つの履歴に混ざって記録されます。並行して試したいときは必ず /branch で分岐するか、再開時に --fork-session を付けて別セッションとして開いてください。

型3: 他人・別環境へ — 会話の外に出して渡す

セッション履歴はそのPCの中だけにあるため、同僚への引き継ぎや別マシンへの移行では、会話の中身を外に出します。/export を実行すると、会話全体をテキストファイルに保存したり、クリップボードにコピーしたりできます。

ただし、恒久的に引き継ぐべき情報は、会話ログではなくドキュメントに固定するのが原則です。チームのルールはCLAUDE.mdの書き方を参考に指示ファイルへ、セッションをまたいで覚えさせたいことはメモリ機能へ移すと、会話が30日で消えても業務は回ります。

なお、ターミナル版・デスクトップアプリ・Web版(クラウド実行)は、それぞれ別々にセッション履歴を管理しています。デスクトップアプリで進めた作業は、ターミナルの一覧には出てきません。利用形態ごとの違いはWeb版・スマホ対応の記事で整理しています。

よくあるつまずきと対処

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症状原因と対処
再開コマンドを打っても出てこない別のフォルダで起動している。セッションは作業フォルダごとに保存されるので、前回のフォルダへ移動してから実行する
/clear したら消えた気がする消えていない。/clear は画面と文脈をリセットするだけで、直前の会話は保存済み/resume で戻れる
昔のセッションが見つからない既定の保持期間(30日)を過ぎて削除された可能性が高い。長く残すなら cleanupPeriodDays を設定し、重要事項はドキュメントへ書き出す
自動タイトルを名前指定しても再開できない自動生成タイトルは表示用で再開の指定には使えない/rename で自分で名前を付ける
作業中にフリーズした再起動しても会話は消えない。落ち着いて再起動し、claude --resume で戻る。切り分けの全体はトラブル対応の記事

セッション運用は、個人の便利機能にとどまらず、組織でClaude Codeを定着させるときの引き継ぎ設計に直結します。「会話に残すもの」と「ドキュメントに固定するもの」の線引きができているチームは、担当者が変わっても業務が止まりません。

当社のClaude Code法人研修では、日々の中断・再開の操作から、会話に依存しないナレッジの残し方まで、受講企業の業務に合わせた運用の型を実習形式で身につけられます。

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