computer useとは — AIが人間と同じ入り口からアプリを操作する
computer useは、AIが画面を見ながらクリックや文字入力を行い、ブラウザやアプリを人間と同じやり方で操作する機能の総称です。データ連携の口を裏側に用意するのではなく、人間が使うのと同じ画面から入るため、専用の連携が用意されていないツールにも届くのがこの方式の特徴です。
そして今、APIやMCPで裏側をつながなくても、表側のComputer Use・Browser Useの品質が上がったことで、普段使いのツールをそのまま操作して作業を代行してもらえる場面が増えています。「連携を設定してから任せる」の手前に、「いつもの画面をそのまま任せる」という選択肢が現実的になってきた——これがcomputer useの現在地です。
操作の様子がピクチャーインピクチャーの小窓でリアルタイムに見える
本題はここからです。執筆時点(2026年7月)に筆者が実機で確認した範囲では、Codexでcomputer useを使っている間、操作中のアプリの様子がピクチャーインピクチャー(PiP)の小窓として画面上にリアルタイム表示されます。自分は別の作業を続けながら、AIがいまどの画面で何をしているのかを目の端で追える状態になっているのです(表示のされ方は今後のアップデートで変わる可能性があります)。

筆者自身は、正直なところ操作の様子を常時見ていなくても気にならないタイプです。それでも、この見せ方は良い設計だと感じました。「AIがブラウザやPCで何をしているのか見えないと不安」という人は確実にいるからです。任せている間の動きが視界に入る場所に表示されている——それだけで、初めてAIエージェントに仕事を任せる人にとっては大きな安心材料になります。
不安を煽るのではなく、不安に応える設計
この不安は「AIへの理解不足」ではなく、初めての相手に仕事を任せるときの自然な感覚です。その感覚に「慣れてください」と我慢を求めるのではなく、見える形で応える。computer useのPiP表示は、不安に設計で応えた例だと筆者は受け止めています。
「見える」ことがなぜ組織導入で効くのか
AIエージェントの導入支援の現場では、「便利そうだが、何をされているか分からないままでは任せづらい」という声が最初のハードルになりがちです。これは組織として当然の感覚であり、応えるべきは説得ではなく設計です。操作が見えることは、次の3つの形で導入を後押しします。
- 心理的ハードルが下がる — 初めて任せる人が、実際の動きを目で確かめながら少しずつ信頼を積み上げられる
- 統制の出発点になる — 「AIが何をしているか・何をしたか」を把握できる状態は、業務でAIエージェントを使うルール作りの前提になる
- そのままデモになる — 操作の様子自体が「AIはこう仕事を進める」という何よりの説明になり、社内に広げるときの理解が速くなる
裏側の連携(MCP)との使い分け — 対立ではなく補完
では、画面操作で任せられるなら裏側の連携は不要になるのかというと、そうではありません。CodexのMCP設定ガイドで解説したとおり、MCPはAIとツールをデータで直接つなぐ共通規格で、定常的に使う連携では速さと確実さに分があります。一方のcomputer useは、専用連携のないツールにも人間と同じ入り口から届き、動きが見えるという強みがあります。
表は横にスクロールできます →
| 方式 | つなぎ方 | 強み |
|---|---|---|
| 裏側の連携(MCP等) | データで直接つなぐ | 速く確実。定常的に使う連携に向く |
| 表側の画面操作(computer use) | 人間と同じ画面から操作する | 専用連携のないツールにも届く。動きが見える |
つまり両者は補完関係で、よく使うツールは裏側でつなぎ、連携のないツールや単発の画面作業は表側で任せる、という組み合わせが基本になります。どの業務をどちらで任せ、確認や承認をどこに挟むか——この設計はCodexの使い方 — 頼み方3つの型で扱う仕組み化の考え方と地続きです。当社のCodex研修・導入伴走支援では、「見えること」を安心材料として活かしながら、貴社の業務に合わせた任せ方と統制ルールの設計までを一体でご支援しています。
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