自動化しやすいのは、入力と正解が見える工程

Claude Codeへ最初に渡す業務は、入力ファイル、処理ルール、期待する出力、確認方法の4つが言えるものにします。税務判断のように事情を踏まえた専門判断が中心の工程ではなく、形式変換・突合・抽出・下書きから選びます。

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業務入力自動化する処理人の確認
CSV整形銀行・カード・販売管理のCSV列名、日付、金額、文字コードの統一件数と金額合計
証憑突合明細一覧と証憑ファイル一覧日付・金額・取引先で候補を対応付け複数候補と未一致
不足資料一覧必要資料チェックリストと受領ファイル未受領・形式不備・重複の抽出顧問先への依頼内容
仕訳確認仕訳CSVと事務所マスタ例外条件に触れる行の抽出会計処理の妥当性
月次報告試算表・推移表・確認メモ増減表とコメント初稿増減理由と対外説明

自動化の目的はゼロ件確認ではない

全件を人が見る状態から、例外だけを人が見る状態へ変えるのが最初の目標です。AIが処理できなかった行を隠さず、未処理一覧として出せるツールほど実務で信頼できます。

壊れにくい事務所内ツールの基本構成

自動化をチャットの中だけで終わらせず、フォルダ構成と実行手順を固定します。入力、作業中、出力、ログを分けるだけで、上書きや取り違えを防ぎやすくなります。

月次記帳ツールのフォルダ例
monthly-bookkeeping/
├── input/          # 顧問先から受領した元ファイル。変更しない
├── master/         # 勘定科目、取引先、変換ルール
├── scripts/        # Claude Codeが作成した処理
├── output/         # 変換後CSV、確認候補、不足資料一覧
├── logs/           # 実行日時、件数、合計、エラー
├── CLAUDE.md       # 事務所の判断基準と禁止事項
└── README.md       # 人が読む実行手順と戻し方
  • inputは読み取り専用 — 受領したファイルを上書きせず、再検証できる状態を保ちます
  • masterに判断基準を寄せる — 顧問先別の列対応、表記統一、勘定科目候補などを処理コードへ直書きせず管理します
  • outputに確認用ファイルを出す — 完成データだけでなく、未一致・要確認・エラーの一覧も出します
  • logsで再現できるようにする — 入力ファイル名、件数、金額合計、実行結果、使用したルールの版を残します

実例 — 入出金明細を会計取込CSVへ変換する

顧問先から届く入出金明細を、会計ソフトの取込形式へ変換する業務を例にします。最初に1か月分を使い、手作業の完成品と一致するかを確かめます

  1. 1入出力を固定する — 元CSVの列と、会計ソフトへ渡すCSVの列を対応表にします
  2. 2変換ルールを書く — 日付形式、金額の正負、摘要の組み立て、不要文字、空欄時の扱いを決めます
  3. 3異常終了の条件を決める — 必須列がない、金額が数値でない、件数が0などの場合は処理を止めます
  4. 4サンプルで実行する — 既に手作業で完成している月を使い、行数・金額合計・各列を比較します
  5. 5差異をルールへ戻す — 人が手直しした内容を記録し、翌月も起きるものだけをmasterへ追加します
事務所内ツールを作らせる最初の指示文
input/bank_2026-07.csv を、master/import-format.xlsx の列定義に合わせて
会計ソフト取込用CSVへ変換するツールを作ってください。

条件:
- input内の元ファイルは変更しない
- 出力は output/import_2026-07.csv
- 日付はYYYY-MM-DDに統一
- 入金は正、出金は負の金額にする
- 必須列が欠けていたら処理を止め、logs/error_2026-07.txt に理由を書く
- 変換前後の行数と金額合計を logs/run_2026-07.txt に残す
- 完成後、手作業の正解ファイル master/expected_2026-07.csv と比較し、差分を一覧にする

まず実装計画と、私が確認すべき前提を出してください。まだ実行しないでください。

検証は件数・金額・差分の3点で行う

画面を数行見て「合っていそう」で終わらせません。入力件数と出力件数、入力金額合計と出力金額合計、既知の正解ファイルとの差分を機械的に確認します。例外行を除いたため件数が変わる場合は、その内訳が説明できることを完成条件にします。

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検証項目確認内容失敗時の動作
件数入力、正常出力、要確認、エラーの合計が一致出力を確定せず停止
金額入力と出力の合計、借方・貸方の整合差額と該当行を表示
差分過去の正解ファイルと列単位で比較差分を一覧にして人が判定
再実行同じ入力で同じ結果になる日時など変動項目を切り分け

CLAUDE.mdに事務所の安全ルールを書く

事務所内ツールのフォルダに置く CLAUDE.md には、処理内容より先に禁止事項と確認境界を書きます。毎回のお願いではなく、そのフォルダで作業する際の前提として読ませます。

記帳自動化フォルダのCLAUDE.md例
# このフォルダの目的
月次記帳の入力整形・突合・確認候補作成を行う。

# 必須ルール
- input/ のファイルは変更・移動・削除しない
- 数字、税区分、期限を推測で補わない。不明は「要確認」にする
- 出力前後の件数と金額合計を照合する
- 会計ソフトへの登録・更新は、対象一覧を人が承認するまで行わない
- 顧問先へメールやファイルを送信しない。下書きまでにする
- 実行日時、入力ファイル、処理件数、エラー件数を logs/ に残す

書き方の基本はCLAUDE.mdの書き方、自動実行の権限はClaude Codeの権限設定で確認できます。

会計ソフト連携はファイル処理が固まってから

最初から会計ソフトへの書き込みまでつなぐと、変換ルールの誤りと接続設定の誤りを同時に調べることになります。先にCSV出力までを安定させ、その後にMCPで試算表や仕訳の取得へ広げます。freeeとマネーフォワードのどちらを使っていても、読み取り、プレビュー、人の承認、実行後照合の順番は同じです。

会計事務所全体での役割分担は税理士・会計事務所のClaude Code活用ガイド、Excelファイル操作の実例はClaude CodeでExcel作業を自動化するで詳しく解説しています。

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