Remote Controlとは — 手元のマシンのセッションをスマホから操作する

Remote Controlは、自分のパソコン上で動いているClaude Codeのセッションを、スマホのClaudeアプリやブラウザのclaude.ai/codeから操作できる機能です。処理はあくまで手元のマシンで実行され、スマホやブラウザはそのセッションをのぞく「窓」の役割です。

よく似た「Web版Claude Code」は、クラウド上のマシンで実行される別の仕組みです。Remote Controlは自分のマシンで動くため、ローカルのファイル・MCPサーバー・プロジェクト設定がそのまま使えます

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Remote ControlWeb版(クラウド実行)
実行場所自分のパソコンAnthropicのクラウド
ローカルのファイル・MCPそのまま使える使えない
向く場面手元で進めている作業の続きを外から操作環境構築なしで複数タスクを並列に回す

デスクトップアプリ・Web版・IDE拡張を含めた利用形態の全体像はClaude Codeのアプリ・Web版・スマホ対応まとめで整理しています。本記事はTeamプランで有効化してスマホから使えるようにするまでに絞ります。

Teamプランでは初期状態で無効 — 最初に出るエラー

Remote ControlはPro・Max・Team・Enterpriseの全プランで提供されていますが、TeamとEnterpriseでは初期状態が無効です。有効化されるまで、メンバーがコマンドを実行すると次のエラーが出ます。

自社Team環境での実測(2026年8月30日)
$ claude rc
Error: Remote Control is disabled by your organization's policy.
Contact your organization admin for access.

このトグルはサーバー側の組織設定なので、メンバーが手元のsettings.jsonや環境変数を変更しても解決しません。組織のオーナー(管理者)に有効化を依頼するのが唯一の解決策です。

管理者側の設定 — 組織設定でRemote ControlをON

有効化できるのは組織のオーナーだけです。手順は3ステップで、かかる時間は1分程度です。

  1. 1claude.aiにオーナー権限でログインし、アカウントメニューから「組織設定」を開く
  2. 2左サイドバーの「Claude Code」を選ぶ(claude.ai/admin-settings/claude-code を直接開いてもよい)
  3. 3「リモートコントロール」のトグルをONにする
Claude Teamプランの組織設定のClaude Codeページ。リモートコントロールのトグルがONになっている
自社Team環境の組織設定 > Claude Code(実測)。リモートコントロールをONにすると「管理者が設定」と表示される

設定は組織全体にサーバー側で反映されます。自社の実測では、トグルをONにした直後にメンバー側の claude rc がそのまま通り、再ログインもClaude Codeの再起動も不要でした。組織設定の画面全体の構成はTeamプランの組織設定まとめで解説しています。

「信頼済みデバイスを要求する」も検討する

Remote Controlトグルの下にある「信頼済みデバイスを要求する」(ベータ)をONにすると、登録済みデバイスと直近18時間以内のサインイン(Face ID等の生体認証で更新可能)がないとリモート操作できなくなります。アカウントが第三者に渡った場合の防御層になるため、統制を重視する組織はあわせて検討してください。

メンバー側の使い方 — claude rc で起動してスマホから接続

有効化されたら、メンバーは自分のパソコンでRemote Controlを起動します。起動方法は3つあり、用途で使い分けます。

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コマンド動き
claude remote-control(短縮形 claude rc)サーバーモード。スマホ側から新しいセッションを起動できる待ち受け状態になる
claude --remote-controlこれから始めるターミナルのセッションを、最初からスマホと共有する
/remote-control(セッション内で実行)いま開いているセッションを、会話の途中からスマホと共有する

サーバーモードで起動すると、セッションの作り方(spawnモード)を聞かれます。複数セッションを並行させるなら worktree(セッションごとに独立した作業コピーを持つ方式)が安全です。同じフォルダを全セッションで共有するsame-dirは、同じファイルを同時に触ると衝突します。

spawnモードを最初から指定して起動する例
claude rc --spawn=worktree

スマホ側の接続は簡単です。ターミナルに表示されるQRコード(サーバーモードではスペースキーで表示)をカメラで読み取るか、Claudeアプリの「Code」タブのセッション一覧から選ぶだけ。オンラインのセッションには緑のステータスドットが付きます。

既存セッションの続きはサーバーモードではなく /remote-control

claude rc(サーバーモード)は新しいセッションの起動用です。すでに開いているセッションの続きをスマホでやりたいときは、そのセッションの中で /remote-control を実行してください。それまでの会話を引き継いだままスマホから操作できます。

セキュリティの考え方 — 実行はローカル、経路はTLS

管理者として押さえておきたい仕組みが2つあります。1つ目は通信の向きです。ローカルのClaude Codeは外向きのHTTPS通信だけで動き、パソコン側に受信ポートを開きません。コードの実行とファイルアクセスはローカルマシンに留まります。

2つ目はデータの置き場所です。接続中の会話トランスクリプト(メッセージ・応答・ツール実行の記録)はAnthropicのサーバーに保存されます。デバイス間の同期と再接続に必要な仕組みで、通常のデータ利用ポリシーの範囲で扱われますが、会話に書いた内容はサーバーを経由する前提で社内の運用ルールを決めてください。

統制の選択肢は3層で考えると整理しやすいです。①組織全体のトグル(本記事の設定)②信頼済みデバイスの要求 ③特定の端末だけ止めたい場合はmanaged settingsの disableRemoteControl 配布。Claude Code全体の権限設計はpermissionsの設定方法で解説しています。

つまずきやすいポイント

  • 有効化したのにエラーが消えない: 手元に古い契約情報が残っていることがあります。claude auth logoutclaude auth login で更新し、Claude Code自体も最新版にしてください
  • パソコンを閉じるとオフラインになる: 実行主体はローカルプロセスです。ターミナルを閉じたりスリープするとスマホから見えなくなります。サーバーモードなら同じフォルダで claude rc を再実行すると、停止から約4時間はセッションを復帰できます
  • APIキー認証では使えない: claude.aiアカウントでのログインが必須です。ANTHROPIC_API_KEY での利用や、Amazon Bedrock等を経由する構成では使えません
  • テレメトリ無効化の環境変数と両立しない: DISABLE_TELEMETRYDO_NOT_TRACK を設定していると、Remote Controlの利用可否判定ごと止まるため使えません。使う場合はその変数を外す必要があります

Teamプランの管理画面は日本語の情報がまだ少なく、どのトグルを既定のままにし、どれを変えるべきかは組織の統制方針によって答えが変わります。AI OrchestraのClaude Code研修・導入支援では、Teamプランの管理設定の初期設計から、permissions・統制ルールの整備、非エンジニアへの展開までを一体で支援しています。

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