アナリティクスの場所と、見られる人
アナリティクスは、Claudeの画面左下のアカウントメニューから「アナリティクス」を選んで開きます。組織全体のダッシュボードが表示され、左サイドバーに「概要」と、チャット・Claude Codeなどのアプリ別ページが並ぶ構成です。
閲覧できるのはOwner(所有者)とPrimary Owner(主要所有者)です。公式ヘルプでは、一般のUserロールはアナリティクスの閲覧対象に含まれていません(EnterpriseプランではAdminも支出データを除いて閲覧可・2026年8月時点)。管理者の役割の全体像は組織設定メニューの記事で整理しています。
以下の画面は、2026年8月26日に当社が2席のTeamプランで実測したものです。Pro・MaxからのTeam移行を済ませた当日に撮影したため数字はほぼゼロですが、契約直後の管理者が最初に目にする状態としてそのまま掲載します(出典: View usage analytics・2026年8月時点)。
概要ページ — 組織全体を3つの数字でつかむ
① 最上部のサマリー: 週間アクティブメンバー・PR・Coworkセッション

最上部には週間アクティブメンバー・Codeで作成されたPR・Coworkのセッションの3つのカードが並びます。当社の画面では「週間アクティブメンバー 0(2人のメンバー中)」のように、割り当て済みシート数が分母として添えられていました。右上のプルダウンで集計期間を切り替えられます(初期表示は30日)。
その下の「Claudeを使っているのは誰ですか?」セクションでは、アクティブメンバーと割り当て済みシートの推移をグラフで確認できます。「週間アクティブ」の集計単位の切り替えと「すべての製品」の製品別フィルタがあり、誰がどの製品を使っているかまで絞り込めます。
② 活用の中身: 導入レベル・製品の定着度・スキル・コネクタ

スクロールすると「Claudeをどのように活用していますか?」のセクションが続きます。導入レベルは利用頻度を全メンバー・毎月・週次・毎日の4段階に分けた棒グラフ、製品の定着度は製品ごとの月間アクティブユーザーに対する日次アクティブ比率(いわゆるDAU/MAU比率)です。
さらにスキルとコネクタの利用状況、そして「彼らの業務はどの程度エージェント的ですか?」というベータ指標が並びます。これはプロンプトあたりにClaudeが実行するアクション数で、チームがどれだけ作業を委任できているかの目安になります。
アプリ別ページ — チャットからCode Reviewまで6種類
左サイドバーの「アプリ」にはチャット・Claude Code・Claude Design・Cowork・Claude Tag・Code Reviewの6ページが並びます。各ページには「データはUTC・毎日更新」と明記されています。ここでは業務利用の観測でよく使う3ページを見ていきます。
③ チャット: 非エンジニアの利用が最初に表れる場所

チャットのページは1日あたりのチャット数と、1回以上チャットしたユーザーの割合の2つが軸です。期間は1週間から1年まで切り替えられます。営業や管理部門も含めた全社導入では、まずこの数字が動き出すかどうかが最初の観測ポイントになります。
④ Claude Code: 生産性・使用量・値の3タブ

Claude Codeのページだけは生産性・使用量・値の3タブに分かれています。生産性タブにはLines of code accepted(受け入れられたコード行数)とSuggestion accept rate(提案の受け入れ率)が並び、その下にユーザー数とセッション数のアクティビティ、コード行数の推移グラフが月単位で表示されます。
上部には「GitHub アナリティクスを有効にすると、PR とコードメトリクスが利用可能になります」というバナーが表示されます。Claude Codeの組織設定でGitHub連携をオンにすると、PR数などのより成果に近い指標が追加される設計です。コード行数だけでなくPRで測りたいチームは、早めに有効化しておくとよい項目です。
⑤ Code Review: レビューしたPRとコスト

Code Reviewのページにはレビューされたプルリクエスト・コードレビューのコスト・フィードバックの3枠が並びます。当社の環境ではコスト欄に「請求データが利用できません」と表示されていました。利用実績と請求データが溜まって初めて数字が入る枠のため、契約直後はこの表示が正常です。
支出のCSVエクスポートとMember analytics
公式ドキュメントによると、支出レポートはCSVでエクスポートできます。ユーザーのメールアドレス・使用モデル・リクエスト数・トークン数・実際の支出が含まれ、過去90日まで遡って取得できます(2026年8月時点)。部門別のコスト把握や経理への報告は、このCSVが起点になります。
また、設定でMember analyticsのトグルを有効にすると、メンバー自身が自分の使用状況を確認できるようになります。管理者だけが数字を握るのではなく、本人に自分の利用量を見せられるこの機能は、次に述べる定着施策とも相性のよい仕組みです。
導入直後はゼロで当然 — 定着度を測る運用の型
ここまで見たとおり、契約直後のアナリティクスはほぼすべてゼロです。ここで「全然使われていない」と焦る必要はありません。大事なのは、どの順番でどの数字を見るかという観測の型を最初に決めておくことです。当社が導入企業に案内している型は次のとおりです。
- 1最初の1ヶ月は「週間アクティブメンバー率」だけを見る — 概要ページの週間アクティブメンバーを割り当て済みシート数で割った値。まずは全員が週1回でも触っている状態を目指し、他の指標は見ない
- 2定着してきたら製品別の広がりを見る — チャットだけの利用にとどまっていないか、Claude CodeやCoworkへ広がっているかを、製品フィルタと製品の定着度で確認する
- 3数字が止まっているメンバーを「使い方がわからない」のシグナルとして扱う — 利用率の低さを本人に詰めるのではなく、研修や共有プロジェクトの整備といった環境側の手当てで返す
利用率の壁は、ツール配布では越えられません
シートを配って数字を眺めているだけでは、利用率はある水準で止まります。当社が研修の現場で繰り返し見てきたのは、壁を越えるのはツールの機能説明ではなく、自分の業務への接続だということです。「あなたのこの業務は、こう頼めばClaudeに任せられる」という具体例を職種ごとに示せたときに、初めてアクティブ率が動きます。
止まっているメンバーへの手当てとして効くのが、管理者が組織共有プロジェクトを整備して「開けばすぐ使える」状態を作ることです。作り方は組織共有プロジェクトの記事で解説しています。あわせて全社共通の前提を組織の指示に書いておくと、初回の体験がそろいます。
アナリティクスとOpenTelemetry監査ログの住み分け
このアナリティクスは、あくまでclaude.aiの管理画面で見える範囲の可視化です。誰が・いつ・どんな操作をしたかをログとして保全し、SIEMなどの監査基盤へ流す要件には、Claude Code側のOpenTelemetryによるメトリクス・ログ収集という別の仕組みがあります。
表は横にスクロールできます →
| 知りたいこと | 使う仕組み |
|---|---|
| 利用の定着度・製品別の広がり・支出の概況 | 本記事のアナリティクス(管理画面だけで完結・実装不要) |
| 操作ログの保全・SIEM連携・統制要件への対応 | OpenTelemetryによるログ収集(環境変数の設定と受け口の実装が必要) |
順番としては、まずアナリティクスで足りるかを確認し、統制要件が出てきた段階でOpenTelemetryを実装するのが現実的です。OTelの設定手順はClaude Codeの監査ログの記事で解説しています。プラン選定の段階から統制要件が見えている場合は法人契約の記事もあわせて参照してください。
Claude Codeを組織に定着させたい企業様へ。AI Orchestraの法人研修・導入支援をご覧ください。
数字を定着につなげる — 当社の研修・伴走支援
当社のClaude Code研修・導入伴走支援では、このアナリティクスを定点観測しながら、数字が止まっている部門に研修と業務接続の施策を当てる進め方を採っています。シートを配ったのに使われていない状態は、投資がもったいないだけでなく、現場の「AIは使えない」という誤った印象にもつながります。導入済み・導入検討中のどちらの段階でも、無料相談をご利用ください。






