OpenAI公式の画像プロンプトガイドとは — API向けだが考え方はCodexと同じ

OpenAIの開発者向けサイトには、画像の生成と編集の頼み方をまとめた公式ガイド「Image prompting」があります。対象はAPIで使うGPT-Image-2.5 Flare / GPT-Image-2.5 Sunburstで、依頼文の組み立て方から用途別の例文、編集の頼み方、確認項目までが載っています。

Codexの組み込み画像生成にはモデルや画質を選ぶ設定がなく、ガイドのAPIパラメータはそのまま使えません。それでも「何を書けば狙った絵になるか」という原則は共通です。Codex公式ドキュメント「Image generation in Codex」が挙げるコツ(用途と読者・主題と動作・場面と構図・光や色の細部・入れないもの)も、このガイドの短縮版と言えます。

結論: 画像プロンプトは「説明文」ではなく「発注書」

ガイドを通して読むと、全体を貫く考え方は1つです。モデルに雰囲気を伝えるのではなく、完成した画像がどうなっていれば合格かを先に書く。文字数の多さではなく、用途・主題・構図・制約に抜けがないかで結果が決まります。

公式ガイドの8原則 — 一覧表

ガイドの「Prompting fundamentals」は8つの項目で構成されています。当社の言葉で意味を添えた一覧が次の表です。以降の章で、それぞれを日本語の依頼文の例で見ていきます。

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原則意味業務での一言
① 結果を先に決める主題・用途・構図・配置の条件を最初に書く「何に使う画像か」から書き始める
② 保守しやすい形式を選ぶ短文・段落・見出し分け・JSONのどれかに統一するチームで使い回すなら見出し分け
③ 見えるものを言葉にする素材・光・色・媒体(写真か絵か)を明示する「いい感じ」を「自然光・浅い被写界深度」に
④ 人物と動作は枠取りまで全身か上半身か・大きさ・視線・物との関わり「打ち合わせ中」ではなく「PCを開いて隣を見る」
⑤ 文字は一字一句そのまま入れる文字を引用符で書き、位置と書体を指定「」で囲んで1回だけ入れる
⑥ 変えるものと守るものを分ける編集は「Xだけ変える」と「Yは変えない」を両方書く守るものを書き忘れると別の絵になる
⑦ 参照画像に役割を与える番号を振り、それぞれ何のための画像かを書く「1枚目は商品、2枚目は背景見本」
⑧ 1回に1つずつ直す前の出力を次の入力にして、変える点を1つに絞る「明るく、大きく、色も」を一度に頼まない

原則①〜④: 生成の依頼文 — 用途・主題・構図・見た目を分けて書く

新しく画像を作るときは、用途 → 主題 → 構図 → スタイル → 制約の順に書くと、ガイドの①〜④が自然に埋まります。次の例は、会社案内の表紙写真をCodexに頼むときの依頼文です。見出しで分けているのは、後で1行だけ差し替えて使い回せるようにするためです(原則②)。

生成の依頼文の例 — 会社案内の表紙写真(見出し分けの形式)
用途: 会社案内パンフレットの表紙。A4縦。上3分の1に社名を載せるので何も描かない
主題: 30代の日本人女性社員が、明るいオフィスの窓際でノートPCを開き、隣の同僚に画面を見せている
構図: 上半身、目の高さ、やや斜め前から。人物は画面の右寄り
スタイル: 自然光の写真。50mmレンズ相当で背景は浅くぼかす。加工感のない自然な肌の質感
制約: 文字・ロゴ・透かしなし。実在する企業のロゴや製品を描かない
完成したら public/images/brochure-cover.png に保存して

ポイントは③の「見えるものを言葉にする」です。「プロっぽく」「おしゃれに」は画像に描けません。ガイドの例文は「35mmフィルムで撮ったように」「柔らかな海辺の日差し」「浅い被写界深度」「わずかなフィルムの粒子」のように、カメラと光の言葉で見た目を指定しています。

④の人物指定も同じです。ガイドは「年配の船乗りが小舟の上で網を直している。そばに犬が座っている」と、枠取り(中景・目の高さ)・大きさ・視線・物との関わりまで書いています。「働いている人」では、どこを見て何を持っているかがモデル任せになります。

短くてもよい。抜けがないかで決まる

Codex公式ドキュメントは「多くの場合1〜3文で足りる」とも述べています。長さの問題ではなく、用途・主題・構図・制約のどれかが抜けていると、抜けた部分をモデルが勝手に決める、と理解してください。5行の見出し分けは、抜けを防ぐための型です。

原則⑤: 文字を入れる — 一字一句そのまま、位置と書体まで

バナーや告知画像で最も失敗が多いのが文字です。ガイドは「必要な文字を引用符で一字一句そのまま書き、位置と書体を指定し、1回だけ描かせる」ことを求めています。例文の看板広告では「EXACT, verbatim, no extra characters(正確に・そのまま・余計な文字なし)」とまで念を押しています。

文字入りバナーの依頼文の例
セミナー告知バナーを1枚。横長 1536x1024。
入れる文字はこの2つだけ、一字一句そのまま:「Codex実践セミナー」「9月25日(木)14:00〜」
文字は中央、太いゴシック体、背景との明暗差を強く。それぞれ1回だけ描き、他の文字・ロゴ・透かしは入れない。
背景は濃紺のグラデーション。右下に小さな抽象的な光の粒。

日本語の文字は、当社の実測でも見出し程度なら崩れずに描けます。コツは入れたい文字を「」で囲み、「これ以外の文字は入れない」を添えることです。文字が多いほど崩れやすいので、本文まで画像に入れず、見出しだけを画像に任せて残りはページ側で書く分担が安全です。

原則⑥・⑧: 編集の依頼文 — 「変えるもの」と「守るもの」を両方書く

既存の画像を直すときの原則は1つで、「Xだけ変えて」と「Yは変えない」を必ずセットで書くことです。ガイドの編集例は、どれもこの形をしています。「インフォグラフィックの文字をスペイン語に翻訳して。それ以外は何も変えない」「男性の手の花を消して。それ以外は変えない」のように、短い例ほど徹底しています。

編集の依頼文の例 — 会議室写真の椅子だけを替える
添付した会議室の写真で、白い椅子だけを木製の椅子に替えて。
カメラの角度・部屋の照明・床の影・周りの物は変えない。それ以外は一切変えない。
椅子の接地面には自然な影を付けて、写真として違和感がないようにして。
元のファイルは残し、meeting-room-wood.png として別名で保存して

守るものを書き忘れると、椅子を替えるついでに壁の色や窓の位置まで変わることがあります。人物写真ではなおさらで、ガイドの服の差し替え例は「顔・表情・肌の色・体型・ポーズ・髪型・背景・画角・画質を変えない」と守るものを列挙し、そのうえで「服だけを、元のポーズと体の形に合わせて自然に着せる」と頼んでいます。

直しは⑧の「1回に1つずつ」です。ガイドの複数ターンの例は、看板広告を作ったあと「冬の夕方、雪が降っている様子にして」と条件を1つだけ変えています。「明るくして、文字も大きくして、色も変えて」と一度に頼むと、どの指示が効いたのか分からず、構図も崩れやすくなります。

Codexでの「前の出力を次の入力に」

ChatGPTデスクトップアプリ(Codex)では、直前に生成した画像に続けて「右のロボットを小さく」と頼めば、その画像を土台に直します。別のスレッドで直すときや、Codex CLIで続きを頼むときは、生成済みのファイルを参照画像として添付し直すのが確実です。

原則⑦: 参照画像に役割を与える — 番号と用途を書く

商品写真と背景見本のように複数の画像を渡すときは、画像に番号を振り、それぞれの役割を書きます。ガイドの例は「2枚目の犬を、1枚目の女性の隣に置いて。光と構図と背景は1枚目に合わせる。それ以外は変えない」という形です。Codex公式ドキュメントも、複数の参照画像は順番で呼び、位置関係を言葉で説明することを勧めています。

参照画像を2枚渡す依頼文の例
画像1は当社の商品写真、画像2はカタログの背景見本。
画像2の背景と光の当て方の中に、画像1の商品を置いて。
商品の形・ラベルの文字・色は変えない。画像2の背景は構図を変えずそのまま使う。
新しい要素・文字・透かしは足さない

参照画像の渡し方は入口で違います。デスクトップアプリとIDE拡張は入力欄に添付、Codex CLIは -i または --image でファイルを渡します。実在の人物や他社のロゴを参照にするときは、Codex公式ドキュメントが許可を得たうえで使い、ブランドや作家の模倣ではなく独自の表現を頼むよう求めている点も押さえておきます。

用途別の型 — 図解・スライド・UI・ロゴ・切り抜き

ガイドには用途別の例文が10種類以上載っています。業務で出番が多いものを、日本語の依頼文の型に置き換えました。いずれも8原則の「用途・主題・制約」を短く押さえた形です。

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用途依頼文に入れる要素ガイドの例文で効いている一言
工程・仕組みの図解何の流れか、始点と終点、部品名「技術的にも視覚的にも流れを理解したい」
研修・授業用の図対象者、タイトル、ラベルにする用語の列挙「小さな文字・余計な装飾を避ける」
スライド1枚タイトル、載せる数字、書体、フッター「実際に資金調達したデッキに見えるように」
アプリ画面のモック画面の構成要素、配色、端末の枠「実在する使いやすいアプリに見えるように」
ロゴ社名、印象、平面的、透過背景、余白「小さくても大きくても読める単純さ」
商品の切り抜き中央配置、輪郭、透過、影を足さない「背景・市松模様・影を足さない」
4コマ・複数パネルパネルごとの場面を番号で分ける「パネル1〜4の順に何が起きるか」
用途別の依頼文の例 — 図解・ロゴ・切り抜き
【図解】社内の経費精算の流れを1枚の図に。申請 → 上長承認 → 経理確認 → 振込 の4段階を左から右へ矢印でつなぎ、各段階のラベルはこの通り:「申請」「上長承認」「経理確認」「振込」。白背景・単色アイコン・小さな文字は使わない

【ロゴ】「Field & Flour」というパン屋の、他社と似ていない独自のロゴ。温かく・単純で・古びない印象。平面的な図形、余白を十分に、グラデーションなし。背景は完全に透過。中央に1つだけ、余白を広く

【切り抜き】添付の商品写真から商品だけを切り抜き、完全に透過した背景に置く。中央配置、輪郭は鮮明に、縁の白い残りなし。商品の形とラベルの文字は変えない。背景・市松模様・影は足さない

透過背景の依頼は、Images 2.5世代から組み込みでも通るようになりました。ロゴや切り抜きで「背景は完全に透過」と明示し、「背景・市松模様・影を足さない」まで書くのがガイドの型です。自分の環境が新世代で動いているかは、前回の記事の透過背景で確かめる手順で確認できます。

受け取ったら確認する4点 — ガイドのチェックリスト

ガイドの末尾には、出力を使う前の確認項目があります。依頼文に書いた条件を、そのまま点検表にするのがコツです。Codexに「次の4点を自分で確認してから報告して」と添えると、確認の一部をCodex側に任せられます。

  • 文字は正確で読めるか。図解・ラベル・インフォグラフィックほど崩れやすい
  • 人物・商品の形・ラベル・参照画像の細部が保たれているか。似た別物になっていないか
  • 編集は頼んだ部分だけ変わっているか。「それ以外は変えない」が守られているか
  • 透過が必要なら、本当にアルファチャンネルがあるか。白や市松模様を描いた背景ではないか

Codexならではの注意も2つあります。組み込みの画像生成は指定した縦横サイズが目安として扱われることがあるので、正確なサイズが要るなら生成後に整えます。また画像生成を含むやり取りは利用枠を速く消費するため、直しの回数は「1回に1つずつ」で無駄なく重ねるのが実用的です。

APIで使う人向けの補足 — FlareとSunburstの選び方

アプリに画像生成を組み込む場合はAPIを使います。ガイドによると、GPT-Image-2.5 Flareは速度重視の小型モデル(品質はGPT Image 2と同等)、GPT-Image-2.5 Sunburstは品質重視の基本モデル(GPT Image 2を上回る)です。

選び方の順序も示されています。まずFlareで試し、指示追従・人物の一貫性・文字の正確さ・透過の要件で足りなければSunburstに上げる。速度が要る処理はFlare、編集精度が要る処理はSunburstと、処理ごとに分けて使う前提です。

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設定選択肢覚えておくこと
modelgpt-image-2.5-flare / gpt-image-2.5-sunburst速度ならFlare、編集精度ならSunburst
qualityauto・low・medium・high・xhigh・maxxhigh・maxは2.5で追加
sizeauto、または任意(各辺3,840px以下・16の倍数)縦横比は3:1以内
backgroundauto・opaque・transparent透過はPNGかWebPで出力

旧モデルからの移行では、ガイドは代表的な依頼文と参照画像を先に保存し、設定は1つずつ変えて比べる手順を示しています。依頼文を書き直す前に画質設定を比べる、という順序です。なお旧世代のGPT Image 1は2026年10月23日、GPT Image 1.5は2026年12月1日に提供終了と告知されています。

Codexの組み込みとAPIの費用・用途の違いは前回の記事の比較表、APIキーの発行と課金の考え方はCodexのAPIとは?で整理しています。

まとめ — 依頼文の型をチームで共有する

画像プロンプトの上達に、特別な語彙は要りません。用途から書き始め、見えるものを言葉にし、文字はそのまま書き、編集は守るものを先に書く。この4つを守るだけで、やり直しの回数は目に見えて減ります。

本記事の見出し分けの型をそのままCodexのSkillsやAGENTS.mdに置いておくと、誰が頼んでも同じ品質の画像が返ってくるようになります。作り方はCodexのSkillsの作り方を、依頼文の考え方そのものはCodexのプロンプトの書き方を参照してください。

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