本記事の情報の鮮度について

モデルの名称・世代は改定が頻繁です。本記事の内容は公式ドキュメント(learn.chatgpt.com)とCLIの実機で確認したものです。2026年7月にGPT-5.6ファミリー、9月にGPT-6世代と入れ替わりが続いているため、最新のラインナップは必ず公式のモデル一覧をご確認ください。考え方(賢さ・速さ・コストで使い分ける)は世代が変わっても変わりません。

モデルとは — Codexの“頭脳”の選択

Codexは、裏側でOpenAIの大規模言語モデルを呼び出して動くAIエージェントです。このモデルには複数の種類があり、賢さ・応答の速さ・利用コストのバランスがそれぞれ違います。どのモデルで動かすかを選ぶのが「モデルの選択」です。同じ指示でも、選ぶモデルによって“じっくり深く考える”のか“すばやく処理する”のかが変わります。

1つのモデルに固定するのではなく、作業の重さに合わせて切り替えるのが賢い使い方です。人にたとえるなら「難しい案件はエース社員に、定型作業は手の速い担当者に」という仕事の振り分けに近い感覚です。なお、製品としてのCodexと「Codex」という名前の旧モデル(2021年のコード補完モデル)は別物です。

この名前の混乱はCodexとは何かで整理しています。

ラインナップ — GPT-6世代とGPT-5.6ファミリー

公式のモデル一覧がCodexに勧めているのは、最上位のGPT-6 Astra、GPT-6.1 Sol、GPT-6 Lunaの3つです。GPT-6 Solも選べ、前世代のGPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna)は移行期間中も引き続き使えます。

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モデル位置づけ向いている作業
GPT-6 Astra最上位(最も難しい仕事向け)調査・判断・作成・確認が続く長い工程の仕事(コード・アプリ・リサーチ)
GPT-6.1 SolAstraに近い性能を、Astraより低コストで繰り返し発生する長めの仕事(コード・アプリ・資料づくり)
GPT-6 SolGPT-6世代で先に出たSol複雑なコード変更や、工程の多い作業
GPT-6 Luna最も効率的(大量処理向け)要約・抽出・分類・変換など、良い結果の形が決まっている作業

公式の目安は「複雑な作業はGPT-6.1 Sol、形の決まった繰り返し作業はLuna、最も難しい仕事はAstra」です。上位モデルほど賢い一方で時間と利用量は増えるため、作業の重さに見合ったモデルを選ぶのが結局いちばん効率的です。

最上位のAstraは、複数の工程が続く仕事に向くモデルです。選び方と推論設定「極高」の意味はCodexでGPT-6 Astraが使えるようにで解説しています。

GPT-5.6ファミリー(Sol・Terra・Luna)の違い

GPT-5.6ファミリーは2026年7月に登場した前の世代で、Sol・Terra・Lunaの3段構えです。公式のモデル一覧と料金表に載っているGPT-6世代はAstra・Sol・Lunaで、Terraという名前はGPT-5.6世代だけにあります。

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モデル位置づけ速度向いている作業
GPT-5.6 Solファミリーの最上位中複雑なコード変更・深い調査・仕上げの質まで求める成果物
GPT-5.6 Terraバランス型速い強い推論が要る日常業務(GPT-5.5に頼んでいた仕事の置き換え先)
GPT-5.6 Luna最速・最低コスト最速抽出・分類・変換・定型サマリーなど、良い結果の形が決まっている作業

3つの使い分けは、Solが曖昧で難しい高価値なタスク、Terraが強い推論の要る日常業務、Lunaが答えの形が分かっている大量・反復のタスクです。これから設定を組むなら、GPT-6世代を基準に選ぶと、後で書き換える手間が減ります。

利用量の上限や確認方法はCodexの利用制限で解説しています。

Sol・Terra・Lunaはどこで選べる — 製品ごとに出方が違う

同じSol・Lunaという名前でも、どの世代のどれが選択肢に出るかは、使っている製品とプランによって変わります。ChatGPTのチャットとCodexで見え方が違うのは、このためです。

GPT-6世代のSol(6.1と6)とLunaは、ChatGPTではWorkとCodexで選べ、通常のチャットでは選べません。GPT-6 SolとGPT-6 Lunaは2026年9月22日に、GPT-6.1 Solは9月29日に提供が始まりました。対象はPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduです。

無料版とGoで使えるのは、デスクトップアプリのGPT-6 Lunaだけで、順次提供されます。GPT-6.1 Solは無料版とGoの対象外です。EnterpriseとEduでは、管理者が有効にするまで新しいモデルは選べません。

ChatGPT本体には、2026年7月9日にGPT-5.6 Solから提供が始まりました。公式のモデルリリースノートによると、対象は条件を満たす有料プランで、Free・Goとログアウト状態は含まれません。法人のワークスペースでは管理者の設定に左右されることもあります。

他のGPT-5.6ファミリーの提供状況について、公式は製品とプランによって異なると書き、確認先として「使っている製品のモデルピッカーか、その時点の料金表」を挙げています。名前を知っていることと、自分の画面に出ることは別、と考えておくのが安全です。

モデルの違いは、賢さの段階だけではありません。API経由の単価には桁の差があります。ChatGPTのプランで使う場合はトークン単位の請求ではなく利用枠を消費しますが、モデルごとの「重さ」の目安になります。

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モデルモデルID入力(100万トークン)出力(100万トークン)
GPT-6.1 Solgpt-6.1-sol$2$10
GPT-6 Solgpt-6-sol$2$10
GPT-6 Lunagpt-6-luna$0.10$0.50
GPT-5.6 Solgpt-5.6-sol$4$20
GPT-5.6 Terragpt-5.6-terra$2$12
GPT-5.6 Lunagpt-5.6-luna$0.20$1.20

どちらの世代でも、Lunaの入力単価はSolの20分の1です。「答えの形が決まった大量処理はLunaに寄せる」という使い分けは、この差から来ています。GPT-6世代は、同じ名前の前世代より単価が下がっています。

表は標準の速度・短いコンテキストでの単価で、GPT-5.6 Solは少なくとも2026年11月21日まで続くプロモーション価格です。なお gpt-5.6-sol には gpt-5.6 という別名があり、設定ファイルではどちらで書いても同じモデルを指します。

一方で、扱える文脈の広さはGPT-5.6の3モデルとも共通です。公式のAPIモデル一覧では約105万トークン、1回の最大出力は12万8千トークンで揃っています。違いは容量ではなく、賢さ・速さ・単価のバランスにあります。

モデルと合わせて選ぶ「推論の深さ」

Codexではモデルの種類に加えて、どれだけじっくり考えてから答えるか(reasoning effort・推論の深さ)も選べます。深くするほど複雑な仕事の質が上がる一方、時間と利用量は増えます。段階は下から順にLight(CLIではLow)・Medium・High・Extra Highです。

  • Light / Low — 範囲が明確な小さめの依頼。まずここから
  • Medium — 計画が少し必要な標準的な仕事のバランス型
  • High / Extra High — 複数の工程・資料・トレードオフが絡む難しい仕事

公式の推奨は「既定の深さから始めて、計画や分析がもっと必要な仕事で上げる」です。モデル別には、LunaはHigh、AstraはLightから始める目安が示されています。最初から常に最深にするのは、待ち時間と利用量の面で損になりがちです。

MaxとUltra — さらに上の2つのモード

Maxは選んだモデルに1つのタスクへかける思考時間をさらに与えるモード、Ultraはサブエージェント(分身)に仕事を分担させて並列で進めるモードです。最難問や、意味のある単位に分割できる大きな仕事に使いますが、公式も「ほとんどのタスクには不要」としています。選択肢に表示されない場合は、アプリの設定で有効化できます。

切り替え方 — アプリはスライダー、CLIは /model

ChatGPTデスクトップアプリでは、入力欄の下にあるPower(モデルと推論の深さ)のコントロールで切り替えます。Smarter側に動かすと深く、Faster側に動かすと速く・低コストになります。特定のモデルや深さ、速度を指定したいときはAdvancedを開きます。最初の位置や並ぶ選択肢は、プランやワークスペースの設定で変わります。

なお、2026年7月9日に、それまで独立していたCodexのデスクトップアプリはChatGPTデスクトップアプリへ統合されました。現在のCodexは、ChatGPTデスクトップアプリの中で使う形になっています。

CLIでは、セッション中に /model と入力すると一覧からモデルと推論の深さを選べます。起動時に決めたい場合はオプションで指定します。

CLIでのモデル切り替え
/model                # セッション中に一覧から選ぶ(モデルと推論の深さ)
codex -m gpt-6.1-sol  # 起動時にモデルを指定して開始
codex update          # Codex本体を最新版へ更新

いつも同じモデルで始めたい場合は、設定ファイル(config.toml)に model = "gpt-6.1-sol" のように書いておけます。この設定ファイルはデスクトップアプリ・CLI・IDE拡張で共通なので、1か所直せばどの入り口でも同じ設定で動きます。

何も指定しなければ推奨モデルが自動で使われるため、初心者のうちは未設定のままで問題ありません。CLIの主要コマンドはCodex CLIとはで一覧にしています。

なお、Web版・クラウドタスクのクラウド実行では、選べるモデルが手元のCodexと同じとは限りません。公式も、使えるモデルはプランとクライアントによって変わるとしています。

古いモデル指定とアップデートへの追随

Codexのモデルは入れ替わりが速く、古いモデルは非推奨(deprecated)になります。gpt-5.2やgpt-5.3-codexがChatGPTサインインのCodexでは非推奨となっており、定期実行のスクリプトや設定ファイルに古いモデル名を書いたままだと、いずれ動かなくなります。

直近では、gpt-5.4とgpt-5.4-miniが2026年8月31日に、研究プレビューだったGPT-5.3-Codex-Sparkが9月14日に提供を終えました。GPT-5.5も、10月14日にChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全プランから外れます(APIは対象外)。

公式が案内する置き換え先は、Plus以上のプランがGPT-6 Sol(gpt-6-sol)、無料版とGoがデスクトップアプリのGPT-6 Luna(gpt-6-luna)です。ワークスペースの既定値・保存した設定・スケジュールタスクも見直しの対象です。

心当たりがあれば、指定を最新モデルに更新しておきましょう。なお、ChatGPTサインインでは使えなくなったモデルでも、APIキー認証では引き続き使えるものがあります(CodexとAPIの関係を参照)。

Codex本体の更新も簡単です。デスクトップアプリは通常のアプリ更新で、CLIは codex update の一言で最新版になります。新モデルの登場や機能追加はほぼ毎週あるため、公式の週次ダイジェスト(What's new)やchangelogを時々見る習慣にしておくと、GPT-6世代のような大きな世代交代にもすぐ気づけます。

更新しても直らないエラーや不調への対処はCodexのエラー対処法にまとめています。

法人での使い分け — 品質とコストの基準づくり

チームでCodexを使う場合、モデル選択は利用コストの管理に直結します。全員が常に最上位のAstraを使う必要はありません。「日常はGPT-6.1 Sol、定型の大量処理はGPT-6 Luna、Astraは最も難しい仕事だけ、推論の深さは既定から」といった基準をチームで共有しておくと、品質を保ちつつプランの利用枠を無駄なく使えます。

プランごとの料金と利用枠の考え方はCodexの料金で解説しています。

ちなみにClaude Codeにも同じ発想のモデル選択があり、Claude Codeのモデルで解説しています。両ツールとも「作業の重さに頭脳を合わせる」という考え方は共通です。

当社のCodex研修・導入伴走支援では、こうしたモデルと推論の深さの使い分けを含め、非エンジニアの組織がCodexを費用対効果よく運用するための基準づくりを実務に合わせてご支援しています。

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