本記事の情報の鮮度について

モデルの名称・世代は改定が頻繁です。本記事の内容は2026年7月時点で公式ドキュメント(learn.chatgpt.com)とCLIの実機で確認したものです。GPT-5.6ファミリー自体が2026年7月上旬に登場したばかりのため、最新のラインナップは必ず公式のモデル一覧をご確認ください。考え方(賢さ・速さ・コストで使い分ける)は世代が変わっても変わりません。

モデルとは — Codexの“頭脳”の選択

Codexは、裏側でOpenAIの大規模言語モデルを呼び出して動くAIエージェントです。このモデルには複数の種類があり、賢さ・応答の速さ・利用コストのバランスがそれぞれ違います。どのモデルで動かすかを選ぶのが「モデルの選択」です。同じ指示でも、選ぶモデルによって“じっくり深く考える”のか“すばやく処理する”のかが変わります。

1つのモデルに固定するのではなく、作業の重さに合わせて切り替えるのが賢い使い方です。人にたとえるなら「難しい案件はエース社員に、定型作業は手の速い担当者に」という仕事の振り分けに近い感覚です。なお、製品としてのCodexと「Codex」という名前の旧モデル(2021年のコード補完モデル)は別物です。この名前の混乱はCodexとは何かで整理しています。

2026年7月時点のラインナップ — GPT-5.6ファミリー

2026年7月時点でCodexに推奨されているのは、GPT-5.6ファミリーの3モデルです。加えて、応答速度に特化した研究プレビュー版が1つあります(公式のモデル一覧より)。

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モデル位置づけ速度向いている作業
5.6 Solフラッグシップ(最高性能)複雑なコード変更・深い調査・仕上げの質まで求める成果物
5.6 Terraバランス型・日常の主力速い普段の作業全般(前世代GPT-5.5に頼んでいた仕事の置き換え先)
5.6 Luna最速・最低コスト最速抽出・分類・変換・定型サマリーなど、良い結果の形が決まっている作業
5.3 Codex Spark研究プレビュー(Proプラン限定・テキストのみ)ほぼ即時対話しながらその場で直していく高速なコーディング反復

公式の目安は「迷ったらSolから」。そのうえで、Solは曖昧で難しい高価値なタスクに、Terraは強い推論が要る日常業務に、Lunaは答えの形が分かっている大量・反復のタスクに、と使い分けます。上位モデルほど賢い一方で時間と利用量は増えるため、作業の重さに見合ったモデルを選ぶのが結局いちばん効率的です。利用量の上限や確認方法はCodexの利用制限で解説しています。

モデルと合わせて選ぶ「推論の深さ」

Codexではモデルの種類に加えて、どれだけじっくり考えてから答えるか(reasoning effort・推論の深さ)も選べます。深くするほど複雑な仕事の質が上がる一方、時間と利用量は増えます。段階は下から順にLight(CLIではLow)・Medium・High・Extra Highです。

  • Light / Low — 範囲が明確な小さめの依頼。まずここから
  • Medium — 計画が少し必要な標準的な仕事のバランス型
  • High / Extra High — 複数の工程・資料・トレードオフが絡む難しい仕事

公式の推奨は「必要な結果が得られる最小の深さから始めて、足りなければ上げる」です。最初から常に最深にするのは、待ち時間と利用量の面で損になりがちです。

MaxとUltra — さらに上の2つのモード

Maxは選んだモデルに1つのタスクへかける思考時間をさらに与えるモード、Ultraはサブエージェント(分身)に仕事を分担させて並列で進めるモードです。最難問や、意味のある単位に分割できる大きな仕事に使いますが、公式も「ほとんどのタスクには不要」としています。選択肢に表示されない場合は、アプリの設定で有効化できます(2026年7月時点)。

切り替え方 — アプリはスライダー、CLIは /model

ChatGPTデスクトップアプリ(2026年7月にCodexアプリはChatGPTデスクトップアプリへ統合されました)では、入力欄の下にあるPower(モデルと推論の深さ)のコントロールで切り替えます。既定はSol×Mediumで、Smarter側に動かすと深く、Faster側に動かすと速く・低コストになります。特定のモデルや深さを指定したいときはAdvancedを開きます。

CLIでは、セッション中に /model と入力すると一覧からモデルと推論の深さを選べます。起動時に決めたい場合はオプションで指定します。

CLIでのモデル切り替え
/model                # セッション中に一覧から選ぶ(モデルと推論の深さ)
codex -m gpt-5.6      # 起動時にモデルを指定して開始
codex update          # Codex本体を最新版へ更新

いつも同じモデルで始めたい場合は、設定ファイル(config.toml)に model = "gpt-5.6" のように書いておけます。この設定ファイルはデスクトップアプリ・CLI・IDE拡張で共通なので、1か所直せばどの入り口でも同じ設定で動きます。何も指定しなければ推奨モデルが自動で使われるため、初心者のうちは未設定のままで問題ありません。CLIの主要コマンドはCodex CLIとはで一覧にしています。

なお、Web版・クラウドタスクのクラウド実行については、2026年7月時点では既定モデルの変更はできません。

古いモデル指定とアップデートへの追随

Codexのモデルは入れ替わりが速く、古いモデルは非推奨(deprecated)になります。2026年7月時点では、gpt-5.2やgpt-5.3-codexがChatGPTサインインのCodexでは非推奨となっており、定期実行のスクリプトや設定ファイルに古いモデル名を書いたままだと、いずれ動かなくなります。心当たりがあれば、指定を最新モデルに更新しておきましょう。なお、ChatGPTサインインでは使えなくなったモデルでも、APIキー認証では引き続き使えるものがあります(CodexとAPIの関係を参照)。

Codex本体の更新も簡単です。デスクトップアプリは通常のアプリ更新で、CLIは codex update の一言で最新版になります。新モデルの登場や機能追加はほぼ毎週あるため、公式の週次ダイジェスト(What's new)やchangelogを時々見る習慣にしておくと、GPT-5.6のような大きな世代交代にもすぐ気づけます。

法人での使い分け — 品質とコストの基準づくり

チームでCodexを使う場合、モデル選択は利用コストの管理に直結します。全員が常に最上位のSolを使う必要はなく、多くの日常業務はTerraで十分です。「日常はTerra、難所と仕上げはSol、定型の大量処理はLuna、推論の深さは最小から」といった基準をチームで共有しておくと、品質を保ちつつプランの利用枠を無駄なく使えます。プランごとの料金と利用枠の考え方はCodexの料金で解説しています。ちなみにClaude Codeにも同じ発想のモデル選択があり、Claude Codeのモデルで解説しています。両ツールとも「作業の重さに頭脳を合わせる」という考え方は共通です。

当社のCodex研修・導入伴走支援では、こうしたモデルと推論の深さの使い分けを含め、非エンジニアの組織がCodexを費用対効果よく運用するための基準づくりを実務に合わせてご支援しています。

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