Codexはパソコンの前にいなくても動かせる — 2つの仕組みの全体像
Codexの入り口というと、デスクトップアプリ・CLI・IDE拡張といった「手元のパソコンで動かす」形が思い浮かびますが、パソコンから離れて使う道が2つ用意されています。Web版(Codex cloud)とRemoteです。この2つは「コードや資料の処理がどこで実行されるか」が根本的に違うため、最初に区別しておくと迷いません。
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| 仕組み | 実行される場所 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| Web版(Codex cloud) | OpenAIが用意するクラウド環境 | ブラウザから任せて、クラウド上で並列に進めてもらう |
| Remote(ChatGPTスマホアプリ) | 自分のパソコン(Mac/Windows) | 手元PCで動くCodexを、スマホから指示・確認する |
つまり「codex web」で調べている方はクラウド実行の話、「codex スマホ」で調べている方は多くの場合Remoteの話が答えになります。以下、順番に見ていきます。
Web版(Codex cloud)— ブラウザから任せて、並列で進めてもらう
Web版は、ブラウザで chatgpt.com/codex を開き、タスクごとに隔離されたクラウド環境でCodexに仕事をさせる使い方です。公式は次の3つを特徴として挙げています。
- 並列で走らせる — 時間のかかるタスクに専用環境を与え、自分は別の仕事を進められる。手元のパソコンを占有しない
- 環境を再現できる — リポジトリごとに依存関係・ツール・環境変数・シークレットを設定した「環境」を作り、毎回同じ条件で実行できる
- マージ前にレビューできる — 完了したタスクは要約と差分(diff)で確認し、追加修正を頼むか、そのままプルリクエストを作成できる
始め方 — 公式クイックスタートの5ステップ
- 1サインイン — ブラウザでCodexを開き、ChatGPTアカウントでサインインする
- 2GitHubを接続 — 案内に従ってGitHubアカウントを接続し、Codexがアクセスできるリポジトリを選ぶ
- 3環境を作る — 環境設定を開き、対象リポジトリ用の環境を作成する(必要な依存関係・環境変数などをここで設定)
- 4最初のタスクを開始 — 環境を選び、ほしい結果を文章で伝える。ログを眺めてもよいし、バックグラウンドで走らせてもよい
- 5結果をレビュー — 要約と差分を確認し、追加修正を頼むか、仕上がっていればプルリクエストを開く
GitHub・Linear・Slackから直接引き渡せる
Web版のもうひとつの特徴が、仕事の起点を選ばないことです。GitHubのプルリクエストやissue、Linearのissue、Slackのチャンネルやスレッドから、その場でCodexに作業を引き渡せます。「Slackで議論が固まったら、そのスレッドからそのまま修正を依頼する」といった、ツールを行き来しない流れが作れます。
Web版が向いている場面
- 時間のかかる仕事をバックグラウンドで進めてほしいとき
- 複数のアプローチを並列で試して、出来上がりを比較したいとき
- 仕事の起点がGitHub・Linear・Slackにあるとき
- 開発マシンから離れた場所で、タスクの開始や確認だけ済ませたいとき
非エンジニアの方へ — Web版は現時点では開発チーム寄りの入り口です
Web版はGitHubの接続とリポジトリ単位の環境設定が前提のため、執筆時点(2026年7月)では主にエンジニア・開発チーム向けの入り口です。資料作成や議事録整理など一般業務でCodexを使う場合は、Codexの始め方 — インストールから初期設定までで解説しているデスクトップアプリから始めて、外出先からの操作は後述のRemoteを組み合わせるのが現実的です。
企業導入で気になるセキュリティ — ネットアクセスは初期状態で遮断
クラウドで実行すると聞くと、情報管理の観点が気になるところです。公式ドキュメントによると、Codexのクラウド環境はエージェント実行中のインターネットアクセスを初期状態で遮断しています(依存関係のインストールなど、環境のセットアップ段階のみアクセス可能)。必要な場合は環境ごとに解放でき、その際もドメインの許可リスト(プリセットあり)とHTTPメソッドの制限(GET・HEAD・OPTIONSのみに絞る等)で範囲を細かく制御できます。
注目したいのは、公式自身が「アクセスを広げるとプロンプトインジェクション等のリスクが増える」と明記し、必要最小限の許可を推奨している点です。管理側が制御できる設計になっているかは導入判断の重要な材料であり、この透明性は評価できます。組織としてのルール設計の考え方はCodexの応用機能まとめの導入順序の考え方も参考になります。
スマホで使う — ChatGPTアプリのRemoteは「操縦席」
「Codexをスマホで使いたい」への答えは、スマホ単体でCodexが動くわけではなく、スマホを操縦席にするという形です。ChatGPTのモバイルアプリにあるRemote機能を使うと、自宅や会社のパソコンで動くCodexに、外出先から指示を出し、途中経過を確認し、成果物をレビューできます。公式も「コードは接続したマシン側で動き、スマホはその仕事をコントロールする場所」という整理を示しています。
スマホからできること
- 仕事を始める — 接続先のパソコンと作業フォルダを選んでタスクを開始。ファイルや写真、その場で撮った画像を添付して文脈を渡せる
- 途中で軌道修正する — 追加の指示を「今の作業が終わってから」(Queue)と「進行中の作業に割り込んで」(Steer)で使い分けられる
- 成果物をレビューする — 変更内容の要約と差分をスマホで確認し、気になる箇所にコメントを付けて修正を依頼できる
- 実行を承認する — コマンド実行などの承認リクエストがスマホに届き、その場で許可・却下を判断できる
- 完了通知を受け取る — 仕事が終わると通知が届き、ワンタップで該当のチャットを開いて確認できる
非エンジニアにとっての意味はシンプルで、移動時間が「指示出しの時間」に変わることです。外出中に「あの提案書、たたき台まで進めておいて」と頼めば、席に戻ったときには出来上がっている——この働き方の変化については、Codexの応用機能まとめのRemoteの節でも「効く状況」を解説しています。
スマホからは「指示と確認」に徹する
スマホの小さな画面で細かい作業まで完結させようとする必要はありません。公式ブログも「スマホは意思決定を速くする場所」と位置づけています。作業フォルダの設計やじっくりしたレビューはパソコンで行い、スマホでは開始の指示・軌道修正・承認・仕上がり確認に徹する組み合わせが実用的です。
使い分け早見表 — 手元・クラウド・スマホ
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| やりたいこと | 使うもの |
|---|---|
| 資料作成・議事録整理など一般業務を手元で任せたい | デスクトップアプリ(非エンジニアの標準) |
| コードを書きながらその場で修正・説明を頼みたい | IDE拡張(VS Code等) |
| 長いタスクを並列で任せたい・手元のPCを占有したくない | Web版(Codex cloud) |
| 外出先から手元PCのCodexに指示・確認したい | スマホ(ChatGPTアプリのRemote) |
どの入り口を使っても、同じChatGPTアカウント・同じ利用枠を共有します(プラン別の利用枠はCodexの料金 — プランの選び方を参照)。IDE拡張からクラウドへタスクを引き渡すといった連携もできるため、「どれか1つを選ぶ」のではなく、仕事の性質で使い分けるのが基本です(IDE拡張の詳細はCodexをVS Codeで使う)。
組織で「任せ方の幅」を広げるには
入り口が増えるほど、組織では「どの仕事をどこで任せるか」「クラウドに渡してよい情報の線引き」「承認を誰がどの基準で行うか」といった運用設計が定着の分かれ目になります。当社のCodex研修・導入伴走支援では、エンジニア・非エンジニア混在の組織に対して、貴社の実業務を題材にした入り口の使い分け設計から、セキュリティ設定・運用ルールの整備までを一体でご支援しています。
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