Codex Cloudとは — クラウド上でコーディングの仕事を進めるCodexの実行場所

Codex Cloudは、OpenAIが用意するクラウド環境で、Codexにコーディングの仕事を進めてもらう使い方です。公式は「バグの調査から機能の追加まで、コーディングのタスクをクラウドで任せる」ものと説明しており、手元のパソコンがスリープ中でも作業は続きます。

仕事の土台になるのが「環境(cloud environment)」です。リポジトリ・依存関係・ツール・アクセス設定をまとめた、使い回せる準備一式のことで、タスクを始めるたびに、公開した環境からタスクごとに隔離された作業場所が作られます。

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比べる点Codex Cloudローカル(デスクトップアプリ・CLI・IDE拡張)
動く場所OpenAIのクラウド自分のパソコン
作業の対象接続したGitHubのリポジトリ手元で開いたフォルダ・ファイル
始められる場所Web・スマホ・デスクトップアプリ(CLIからも開始できる)そのアプリやターミナル
向いている仕事時間のかかる作業・同じ準備で何本も走らせる作業手元のファイルを見ながら進める作業

使えるプランは、公式の料金案内ではPlus・Pro・Business・Enterpriseです。無料版とGoはデスクトップアプリでGPT-6 Lunaを使う範囲の案内にとどまり、Webでのクラウド利用は含まれていません。APIキーでのサインインもクラウド系の機能は対象外です。

追加の契約は要らず、ローカルと同じプランの利用枠を共有します(枠の減り方の違いは後述のWeb版とデスクトップアプリの違い、プランの選び方はCodexの料金)。

なお公式は、従来の画面を「Codex Cloud (Legacy)」と呼び分けています。コードレビューとLinear・GitHubの連携はLegacy側で引き続き使えますが、Legacyはいずれ廃止する予定とされています。本記事は新しいCodex Cloudを前提に解説します。

Codexはパソコンの前にいなくても動かせる — 2つの仕組みの全体像

Codexの入り口というと、デスクトップアプリ・CLI・IDE拡張といった「手元のパソコンで動かす」形が思い浮かびますが、パソコンから離れて使う道が2つ用意されています。Web版(Codex cloud)とRemoteです。この2つは「コードや資料の処理がどこで実行されるか」が根本的に違うため、最初に区別しておくと迷いません。

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仕組み実行される場所ひとことで言うと
Web版(Codex cloud)OpenAIが用意するクラウド環境ブラウザから任せて、クラウド上で並列に進めてもらう
Remote(ChatGPTスマホアプリ)自分のパソコン(Mac/Windows)手元PCで動くCodexを、スマホから指示・確認する

つまり「codex web」で調べている方はクラウド実行の話、「codex スマホ」で調べている方は多くの場合Remoteの話が答えになります。以下、順番に見ていきます。

Web版(Codex cloud)— ブラウザから任せて、並列で進めてもらう

Web版は、ブラウザでChatGPTを開き、新しいタスクで「Work in」から「Cloud」を選んで、タスクごとに隔離されたクラウド環境でCodexに仕事をさせる使い方です(デスクトップアプリからも同じ操作で使えます)。特徴は次の3つです。

  • 並列で走らせる — 時間のかかるタスクに専用環境を与え、自分は別の仕事を進められる。手元のパソコンを占有しない
  • 準備を使い回せる — Codexがリポジトリを調べて依存関係やツールを入れ、動作をテストした「環境」を公開(Publish)すると、以降のタスクは毎回同じ準備から始まる
  • 取り込む前にレビューできる — 完了したタスクは変更されたファイルと実行結果を確認し、追加修正を頼むか、コミット・プルリクエストに進める

始め方 — 公式クイックスタートの5ステップ

  1. 1ChatGPTを開く — Web・スマホ・デスクトップアプリのいずれかで、ChatGPTアカウントにサインインする
  2. 2環境を選ぶか作る — Webかデスクトップアプリで「Work in」から「Cloud」を選び、「Select environment」から既存の環境を選ぶ。新しく作るときは「Create environment」(スマホは既存の環境を選ぶだけで始められる)
  3. 3Codexにプロジェクトを準備させる — GitHubのリポジトリを選んで「Get started」。Codexがリポジトリを調べ、依存関係とツールを入れて動作をテストする。足りないアクセス権や情報はCodexから聞かれる(環境の考え方はCodex cloudの環境(Environments)設定も参照)
  4. 4確認して公開する — セットアップの結果とテスト結果を確認して保存し、「Publish」を選ぶ。「Environment published」と出たら準備完了
  5. 5タスクを始める — 「Start a new task」でほしい結果を文章で伝える。変更内容と実行結果を確認し、追加修正を頼むか、コミット・プルリクエストに進める

GitHub・Linear・Slackから直接引き渡せる

Web版のもうひとつの特徴が、仕事の起点を選ばないことです。GitHubのプルリクエストやissue、Linearのissue、Slackのスレッドから、その場でCodexに作業を引き渡す連携が用意されており、ツールを行き来しない流れが作れます。

ただし公式によると、Linear・GitHubの連携とGitHub上のコードレビューは、現在は「Codex Cloud (Legacy)」側の機能です。Legacyは廃止予定とされているため、これから業務に組み込むなら、提供状況を公式の案内で確かめてから設計するのが安全です。

Web版が向いている場面

  • 時間のかかる仕事をバックグラウンドで進めてほしいとき
  • 複数のアプローチを並列で試して、出来上がりを比較したいとき
  • 仕事の起点がGitHub・Linear・Slackにあるとき
  • 開発マシンから離れた場所で、タスクの開始や確認だけ済ませたいとき

非エンジニアの方へ — Web版は現時点では開発チーム寄りの入り口です

Web版はGitHubの接続とリポジトリ単位の環境設定が前提のため、主にエンジニア・開発チーム向けの入り口です。資料作成や議事録整理など一般業務でCodexを使う場合は、Codexの始め方 — インストールから初期設定までで解説しているデスクトップアプリから始めて、外出先からの操作は後述のRemoteを組み合わせるのが現実的です。

Web版(ブラウザ版)とデスクトップアプリの違い — インストール不要だが、手元のファイルは扱わない

Web版はブラウザでChatGPTを開いて「Cloud」を選ぶだけで使え、インストールは要りません。ただし「デスクトップアプリをブラウザで動かしたもの」ではなく、作業する場所も、作業の対象も違う別の入り口です。

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比べる点Web版(Codex cloud)ChatGPTデスクトップアプリ(Codex)
始め方ブラウザでサインインするだけ(インストール不要)アプリをダウンロードしてインストールする
作業の対象GitHubまたはGitLab(ベータ)のリポジトリ手元のパソコンで開いたフォルダ・ファイル
動く場所クラウド上の隔離されたコンテナ自分のパソコン
事前の準備リポジトリの接続と「環境」の作成作業するフォルダを開く
成果の受け取り方要約と差分を確認し、プルリクエストにする手元のフォルダで変更内容を確認する

いちばん誤解されやすいのは「作業の対象」です。公式の説明では、Codex Cloudは選んだリポジトリをクラウドの作業場所に取り出して作業します。つまりWeb版が触れるのはリポジトリの中身だけで、手元のパソコンにあるExcelや資料のフォルダを開いて直すことはできません。

利用枠はどの入り口でも同じプランの枠を共有します。ただし公式の料金案内によると、クラウドで動かすタスクはローカルのメッセージより枠を多く使うことがあります。軽い作業まで何でもWeb版に回すと上限に届きやすくなります(上限の考え方はCodexの制限と使用量の確認方法)。

なお、APIキーでサインインする使い方ではWeb版は使えません。公式の料金案内でも、APIキーでの利用はCLI・SDK・IDE拡張に限られ、クラウド系の機能は対象外とされています。Web版を使うにはChatGPTのプランでサインインします。

ブラウザだけで資料づくりなどを任せたいなら、ChatGPTの「Work」

「インストールせずに、ブラウザで仕事を丸ごと任せたい」が目的なら、答えはCodexのWeb版ではなく、chatgpt.com で「Work」を選ぶ使い方(ChatGPT Work)かもしれません。公式ガイドでは、調べもの・分析・文書・表計算・プレゼン資料など複数ステップの仕事に使うものとして案内されています。

Webで使うChatGPT Workはクラウド上の管理された環境で動き、アップロードしたファイルや接続したツールを使って成果物を作ります。公式のクイックスタートも「サインイン→Workを選ぶ→チャットかプロジェクトを選ぶ→ほしい結果を送る」の4ステップで、リポジトリの接続はありません。

整理すると、リポジトリ単位でコードの修正を任せるならWeb版、手元のファイルで作業するならデスクトップアプリ、インストールせずに資料づくりなどを任せるならWebのChatGPT Workです。なおChatGPT WorkとCodexは利用枠を共有します。デスクトップアプリの導入はCodexのインストールと始め方で解説しています。

企業導入で気になるセキュリティ — ネットアクセスは環境ごとに許可する

クラウドで実行すると聞くと、情報管理の観点が気になるところです。新しいCodex Cloudでは、インターネットへのアクセスは環境の設定で「Allow Codex to access internet」をオンにしたときだけ許可され、行き先もパッケージ管理系のプリセット・指定したドメインのみ・無制限から選びます。

APIの認証情報は「ネットワークシークレット」として登録でき、プログラムには代わりの値だけが渡り、許可したドメインへの通信でだけ本物の値に差し替わります。Enterpriseでは管理者がAgent Securityでワークスペース全体の制限をかけられます。

旧画面(Legacy)の公式ガイドでは、エージェント実行中のインターネットアクセスは初期状態で遮断され(環境のセットアップ段階のみ可)、必要な場合も通信をGET・HEAD・OPTIONSに絞れると案内されています。

注目したいのは、公式自身が、信頼できない外部の内容を読ませるとプロンプトインジェクションのリスクがあると明記し、アクセスはできるだけ絞るよう推奨している点です。管理側が制御できる設計になっているかは導入判断の重要な材料であり、この透明性は評価できます。

組織としてのルール設計の考え方はCodexの応用機能まとめの導入順序の考え方も参考になります。

スマホで使う — ChatGPTアプリのRemoteは「操縦席」

「Codexをスマホで使いたい」への答えは、スマホ単体でCodexが動くわけではなく、スマホを操縦席にするという形です。ChatGPTのモバイルアプリにあるRemote機能を使うと、自宅や会社のパソコンで動くCodexに、外出先から指示を出し、途中経過を確認し、成果物をレビューできます。公式も「コードは接続したマシン側で動き、スマホはその仕事をコントロールする場所」という整理を示しています。

もう1つの道が、Codex Cloudのタスクをスマホから直接始める使い方です。ChatGPTアプリでCodexを開き、公開済みの環境を選んで依頼すれば、作業はクラウドで進むため手元のパソコンは要りません(環境の新規作成はWebかデスクトップアプリで行います)。

Remoteでスマホからできること

  • 仕事を始める — 接続先のパソコンと作業フォルダを選んでタスクを開始。ファイルや写真、その場で撮った画像を添付して文脈を渡せる
  • 途中で軌道修正する — 追加の指示を「今の作業が終わってから」(Queue)と「進行中の作業に割り込んで」(Steer)で使い分けられる。既定は接続先パソコンの「フォローアップの動作」の設定に従う(「キューに追加」を基本にする理由)
  • 成果物をレビューする — 変更内容の要約と差分をスマホで確認し、気になる箇所にコメントを付けて修正を依頼できる
  • 実行を承認する — コマンド実行などの承認リクエストがスマホに届き、その場で許可・却下を判断できる
  • 完了通知を受け取る — 仕事が終わると通知が届き、ワンタップで該当のチャットを開いて確認できる

非エンジニアにとっての意味はシンプルで、移動時間が「指示出しの時間」に変わることです。外出中に「あの提案書、たたき台まで進めておいて」と頼めば、席に戻ったときには出来上がっている——この働き方の変化については、Codexの応用機能まとめのRemoteの節でも「効く状況」を解説しています。

スマホからは「指示と確認」に徹する

スマホの小さな画面で細かい作業まで完結させようとする必要はありません。公式ブログも「スマホは意思決定を速くする場所」と位置づけています。作業フォルダの設計やじっくりしたレビューはパソコンで行い、スマホでは開始の指示・軌道修正・承認・仕上がり確認に徹する組み合わせが実用的です。

法人プランで使う場合は前提が1つあります。ChatGPT Businessのワークスペースではリモート操作が既定でオフで、管理者が許可するまでスマホの「リモート」には「ワークスペース管理者によって無効にされています」と表示されます。管理者側の設定手順はChatGPT BusinessでCodexモバイルを有効にするを参照してください。

使い分け早見表 — 手元・クラウド・スマホ

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やりたいこと使うもの
資料作成・議事録整理など一般業務を手元で任せたいデスクトップアプリ(非エンジニアの標準)
コードを書きながらその場で修正・説明を頼みたいIDE拡張(VS Code等)
長いタスクを並列で任せたい・手元のPCを占有したくないWeb版(Codex cloud)
外出先から手元PCのCodexに指示・確認したいスマホ(ChatGPTアプリのRemote)
外出先からクラウドのタスクを始めたい(PCは不要)スマホ(ChatGPTアプリでCodex Cloudの環境を選ぶ)

どの入り口を使っても、同じChatGPTアカウント・同じ利用枠を共有します(プラン別の利用枠はCodexの料金 — プランの選び方を参照)。

IDE拡張からクラウドへタスクを引き渡すといった連携もできるため、「どれか1つを選ぶ」のではなく、仕事の性質で使い分けるのが基本です(IDE拡張の詳細はCodexをVS Codeで使う)。

組織で「任せ方の幅」を広げるには

入り口が増えるほど、組織では「どの仕事をどこで任せるか」「クラウドに渡してよい情報の線引き」「承認を誰がどの基準で行うか」といった運用設計が定着の分かれ目になります。

当社のCodex研修・導入伴走支援では、エンジニア・非エンジニア混在の組織に対して、貴社の実業務を題材にした入り口の使い分け設計から、セキュリティ設定・運用ルールの整備までを一体でご支援しています。

Codexを組織に定着させたい企業様へ。AI Orchestraの法人研修・導入支援をご覧ください。