CodexでExcelを扱う方法は2つある

「CodexでExcelを操作できるのか」という質問への答えは、できる、ただし方法が2つあるです。どちらを選ぶかで、頼み方も注意点も変わります。

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観点① ファイルを渡して読み込ませる② 開いているExcelを直接操作させる
仕組み作業フォルダに置いたExcel・CSVをCodexが読み、結果を新しいファイルに保存するChatGPT for Excelアドインを通じて、開いているブックのシート・数式・書式を編集する
得意なこと複数ファイルをまたぐ集計・転記・突合、毎月の繰り返し1冊のブックを見ながらの修正・数式の解説・グラフの追加
準備不要(標準で入っているSpreadsheetsプラグインで扱える)Excelにアドインを入れてサインインする
対応Excel・CSV。Googleスプレッドシートも扱える現時点ではMicrosoft Excelのみ

当社の研修では、まず①から始めるようお伝えしています。元ファイルを直接触らずに済み、うまくいかなくても何度でもやり直せるからです。②は、特定のブックを仕上げたい場面で後から足せば十分です。

Codexが標準で持つ文書・表計算・スライドの3プラグインの全体像は、標準プラグインDocuments・Spreadsheets・Presentationsの解説にまとめています。

ファイルを渡す方法の基本 — 依頼文に入れる3つの約束

ファイルを渡す方法では、ExcelファイルやCSVを作業フォルダに置いて、日本語で頼むだけです。OpenAI公式の活用例でも、CSV・TSV・Excelファイルを読んで数式や結合のチェック、確認用の表やグラフの作成まで行う使い方が紹介されています。

精度と安全性を左右するのは、依頼文に次の3つを入れるかどうかです。どの作業でも共通の型なので、最初に覚えてしまうと後が楽になります。

  1. 1元ファイルは変更させず、結果は別名で保存させる — 失敗しても元に戻せる。公式の活用例でも、分析中に元ファイルを上書きしない進め方が前提になっています
  2. 2列の意味と判断基準を最初に渡す — 「A列は取引先名、C列は税込金額」のように一言添える。分類ルールのような基準は口頭ではなくファイルで渡すと、毎回同じ基準で処理されます
  3. 3完了条件を数で確認できる形にする — 「行数と合計金額が元データと一致すること」のように、できたかどうかを人が判定できる条件にする

依頼文の組み立て方そのものはCodexの使い方で、材料の渡し方はコンテキストの集め方で詳しく解説しています。ここからは、Excel作業の代表的な3つを依頼文つきで見ていきます。

実例1 集計 — 部門別・月別の集計表を別ファイルで受け取る

売上明細から部門別・月別の集計表を作る作業です。ピボットテーブルを組む手間が、依頼文1つに置き換わります。

集計の依頼文例
uriage_2026.xlsx の「明細」シートを集計してください。
列: 日付, 部門, 取引先名, 税込金額

- 元のファイルは変更しない。結果は shukei_2026.xlsx として保存する
- 「部門×月」の集計表と、部門別の月推移グラフを作る
- 完了条件: 集計表の総合計が、明細シートの税込金額の合計と一致すること
- 部門が空欄の行があれば集計に入れず、件数と行番号を報告する

最後の1行が大事です。空欄や表記ゆれのような「判断が要る行」を黙って処理させず、報告させる。AIに任せる範囲と人が決める範囲の線引きを、依頼文の中で先に決めておくわけです。

実例2 転記 — 自社の管理表から取引先指定の様式へ

取引先から指定されたExcel様式に、自社の管理表の内容を写す作業です。列の並びも名前も違う2つの表の間で、どの列をどこへ写すかの対応表を渡すのがコツです。

転記の依頼文例
kanri.xlsx(自社の案件管理表)の9月分を、
yoshiki_torihikisaki.xlsx(取引先指定の報告様式)に転記してください。

列の対応:
- 案件名 → 件名
- 担当者 → 弊社担当
- 金額(税抜) → 請求額(税抜)
- 完了日 → 納品日(yyyy/mm/dd形式にそろえる)

- 様式の書式・数式・シート構成は変えない
- 元の2ファイルは変更せず、結果は hokoku_2026-09.xlsx として保存する
- 完了条件: 転記した行数と税抜金額の合計が、管理表の9月分と一致すること

日付の形式や「株式会社」と「(株)」の揺れのような細かな整形も、対応表に一言書けば同時に処理されます。一度うまくいった依頼文は保存しておき、翌月はファイル名と月だけ変えて使い回してください。

実例3 突合 — 請求一覧と入金明細の消し込み

月末の定番作業である、請求と入金の突き合わせです。ネットバンキングから出力したCSVと請求一覧のExcelを並べ、一致・不一致・漏れを仕分けさせます。

突合の依頼文例
seikyu_2026-09.xlsx は9月の請求一覧です。
列: 請求番号, 取引先名, 請求金額, 支払期日
nyukin_2026-09.csv は銀行の入金明細です。
列: 日付, 振込名義, 入金額

1. 取引先名と金額で突き合わせ、入金を確認できた請求に「入金済」を付ける
2. 金額が合わない請求・入金が見つからない請求・どの請求とも対応しない入金を、
   それぞれ別のシートに一覧にする
3. 振込名義の表記(カナ・略称)で対応づけた行には、その根拠を備考に書く
4. 元の2ファイルは変更せず、結果は totsugo_2026-09.xlsx として保存する
完了条件: 「一致+不一致+漏れ」の件数の合計が、請求と入金の全件数と合うこと

カナ表記の振込名義と取引先名の対応づけのような曖昧な照合もこなしますが、だからこそ根拠を書かせます。人は不一致の一覧と根拠付きの行だけを確認すればよく、全件を目で追う必要がなくなります。

実例 — 目視の突合をチェック表に変えた社労士事務所

AI Crewのブログでは、社労士事務所の給与計算チェックで、クライアントのExcelと給与計算ソフトの出力をAIエージェントに突合させ、差分をチェック表に洗い出した検証が紹介されています。紙に印刷して1行ずつ目視していた作業で、人は差分が妥当かの判断に集中できる設計です。経理部門の増減分析を定期実行に載せた受講生の事例と合わせて、ExcelのAI自動化の実例にまとまっています。

開いているExcelを直接操作させる — ChatGPT for Excelアドイン経由

2つ目の方法は、ExcelのアドインであるChatGPT for Excelを通じて、開いているブックをCodexに直接編集させるやり方です。公式ヘルプによると、シート・数式・値・書式・グラフを確認・更新でき、手元のファイルやコードも作業に使えます。

  1. 1Excelにアドインを入れる — Excel(デスクトップ版またはWeb版)の「ホーム」→「アドイン」で「ChatGPT」を検索して追加し、対応プランのChatGPTアカウントでサインインする
  2. 2ブックを開く — 既存のブックを開くか、新しいブックを作る
  3. 3Codexから呼ぶ — ChatGPTデスクトップアプリでCodexを選び、@Microsoft Excel と書くか「開いているブックで作業して」と頼む
  4. 4保存前に変更を確認する — 変わったセル・数式を見てから保存・共有する

会社のPCでMicrosoftのストアを開けない場合は、Microsoft 365の管理者がアドインを社内配布できると公式ヘルプに案内があります。導入前に情報システム部門へ相談するとスムーズです。

注意点は3つあります。直接操作の経路は現時点でMicrosoft Excelのみで、どの依頼でも必ず直接操作が使われるわけではありません。また公式ヘルプは、VBA・マクロなどの高度な機能は十分に対応しない場合があるとしています。

3つ目は、元のブックそのものが書き換わることです。公式ヘルプも、重要な作業では先にファイルを複製しておくよう勧めています。ファイルを渡す方法より手軽な分、この1手間を省かないことが大切です。

Codexが画面を操作してExcelを開きアドインを起動する流れには、コンピューター操作の機能が使われます(使えない環境では自分で開いてから続ければ問題ありません)。仕組みはCodexのcomputer useで解説しています。

Googleスプレッドシートの場合

Googleスプレッドシートも扱えます。公式の活用例では、Google Driveのプラグインを通じて、承認した範囲のスプレッドシートを名前で指定して読み込ませる使い方が案内されています。CSVやExcel形式で書き出して作業フォルダに置く方法でも構いません。

なお、GoogleスプレッドシートにもサイドバーとしてのChatGPT for Google Sheetsがありますが、Codexから開いているシートを直接操作する経路はExcelだけです。Googleスプレッドシート中心の職場は、まずファイルとして渡す方法で進めるのが確実です。

実務に載せる前に決めておくこと — 検算と扱うデータの線引き

  • 検算ポイントを1つ決める — 行数と合計金額、または「一致+不一致+漏れ=全件数」。完了条件として依頼文に書いておけば、Codex自身が確かめて報告します
  • 最初の数回は手作業と並走させる — 締め済みの過去データで試し、従来のやり方と結果が一致することを確かめてから切り替える
  • マクロ付きのブック(xlsm)は動作確認を — 編集や保存形式によってマクロが失われることがある。編集後にマクロが動くかを必ず確かめる
  • 扱ってよいデータの範囲を先に決める — 顧客名簿や給与データを扱う前に社内で線を引く。製品側の統制はCodexのセキュリティで解説しています

差分を出すのはAI、その差分が正しいかを決めるのは人。数字を扱う業務ほど、この線引きを崩さないことが事故を防ぎます。

毎月繰り返すなら「型」にして手放す

同じExcel作業を3回以上繰り返しているなら、型にするサインです。うまくいった依頼文と検算の手順をSkillsとして保存すれば、翌月は「9月分の突合をやって」の一言で同じ品質が再現できます。

さらにスケジュール機能と組み合わせれば、決まったフォルダにファイルを置くだけで毎月処理が回る状態まで進められます。Excelの手作業が残っているのは、能力ではなく仕組みの問題です。Excel以外の業務も含めた活用先はCodexの業務活用10選で一覧にしています。

どの業務から任せるかの見極めと、自社のファイル・様式に合わせた依頼文と検算の設計は、当社のCodex研修・導入伴走支援で実業務を題材にご支援しています。

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